カメの寿命(何十年も生きる)

長寿動物代表格

カメ類は細胞の代謝のサイクルが遅く、その結果で老化が始まるのも遅れ〔Warner 2016〕、動物の中でも長寿の生物です。カメの寿命は種類によっても幅がありますが、ペットで飼育されているカメは30~40年前後になります。小型種よりも大型種の方が長生きし、水ガメであると20~40年、陸ガメでは25~45年という感じです。『鶴は千年、亀は万年』とは行きません。。。

記録は?

ゾウガメなど種類によっては100~150年は生きますが、確実な長寿記録というよりは言い伝えられた記録が大半です。アルダブラゾウガメの255年、セイシュルゾウガメの187年、ガラパゴスゾウガメの176年、サンタクルスゾウガメの175年、アルダブラゾウガメの152年、ギリシャリクガメの149年、カロリナハコガメの138年、ヨーロッパヌマガメの120年の記録があります〔深田 1986,安川 2006,Millward 2020〕。

参考文献

  • Millward, Adam.Introducing Jonathan,the World’s Oldest Animal on Land at 187 Years Old.Guinness World Records.Archived from the original on August 9,2020
  • Warner Daniel A.Miller David A.W,Bronikowski, Anne M,Janzen,Fredric J.Decades of Field Data Reveal that Turtles Senesce in the Wild.PNAS113(23):6502–6507.2016
  • ■深田祝監修 T.R.ハリディ、K.アドラー編.動物大百科12 両生・爬虫類.平凡社.東京:p85-99.1986
  • ■安川雄一郎.ゾウガメと呼ばれるリクガメ類の分類と自然史(後編).クリーパー33:p16-29,p33.クリーパー社.東京.2006

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。