ウサギのエリザベスカラー

エリザベスカラーって何

手術や皮膚病で、体にケガを負った時に、動物が傷を舐めないようにするために、円錐形の保護するものです。略してエリカラとも呼ばれます。エリザベスカラーという名前の由来は、16世紀のイギリスのエリザベス王朝時代の衣服で使われた襞襟に似ているからです。

嫌がって当たり前

ウサギはとても嫌がります。ストレスにもなりますので、食欲が落ちることもあります。カラーの大きさや形にもよますが、もし付けた場合はしばらく様子を観察して下さい。カラーの装着には以下のような問題があります。

問題点

  • パニックになる
  • 餌が食べにくい
  • 水が飲みにくい
  • 食糞ができなくなる
  • 盲腸便がお尻にくっ付いて汚れる

パニックになる

ウサギは体に物が装着されることを嫌います。カラーの中で耳が曲がってパニックになるウサギがいます。

餌が食べにくい

カラーが邪魔で餌が食べづらくなります。顔を前に出すと食器も前にずれて、口が餌に届きにくくなります。餌容器から飛び出した牧草などは食べるのに問題ありません。

水が飲みにくい

給水器も皿タイプでは口が水面に届きません。給水ボトルを使っている場合は、飲みやすい位置に取り付けないと飲めません。

食糞ができなくなる

食糞できなくなるとアミノ酸やビタミンBが欠乏しやすくなり、栄養のバランスが崩れがちになります。

盲腸便がお尻にくっ付いて汚れる

お尻に軟らかい食糞の盲腸便が付いて汚れます。盲腸便を踏みつけて足糞がガビガビになって汚れてしまいます。

少しの時間なら外してもよいか?

食糞や餌が食べやすいように、飼い主の監視の元、一時的にカラーを外してもよいです。しかし、傷を舐めたら意味がなくなりますので注意して下さい。カラーを外すと、もう1回付け直すのが一苦労です。逃げて暴れますし、絶対つけたくないとアピールするウサギもいます。

エリカラの種類

一般的にはソフトタイプ (布製など) やハードタイプ (プラスチック製) に分けられます。サイズも体の大きさに合わせますが、お尻の傷を噛まないようにするなら大きめのカラーを使わないと口が届いてしまうので、意味がありません。

ソフトタイプ

布や軟らかい素材を使ったカラーです。

  • 軟らかいので軽い
  • カラーが曲がるので、餌を食べやすく、水も飲みやすい
  • 顔を押しつけて傷をなめる可能性がある
  • カラーをかじって飲み込む可能性がある

お勧めソフトエリカラはこの2つ

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サイズ色々あるよ!

  • よだれ掛けカラー

赤ちゃんのよだれ掛けのように胸の部分だけを隠す布製のカラーです。全周をカバーするのではないので、気にしないウサギが意外と多いです。カラーを噛んで外したり、布を食べてしまうウサギもいますので、注意しましょう。

ハードタイプ

プラスチックなどの硬い素材を使ったカラーです。

体の大きさにあわせてエリザベスカラーの外周を少し切って使うこともあります。

カラーの周囲と首に当たる部分に布を付けてあげると、首の皮膚を傷つけません。

  • 傷口を噛めないようにしっかりしている
  • ソフトタイプよりはやや違和感がある
  • エサや水が飲みにくい

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適したサイズを探して!

  • カップ麺カラー

カップ麺に穴を開けて自作するハードタイプのカラーです。ウサギにとって軽くて違和感もなく、自然に生活できるケースが多いです。耳を通す穴も別に開けると、さらにカラーも外れにくくなります。

餌が食べやすいように、カップの下の口の当たりは、少し切ってあげると良いですが、切り過ぎると口が届いてカラーの意味が無くなってしまいます。カラーを噛って崩壊するウサギもいますので、注意して下さい。

エリカラをしたらこれをして!

  • 食糞対策
  • エサ・水対策
  • ブラッシング
  • ストレス対策

食糞対策

最初に盲腸便がカラーによって食べれずに床に落ちているはずなので、それをウサギの口元に持っていって下さい。自ら口にするようであれば理想です。口にしない場合は、盲腸便の栄養を代わりにとらせるしかありません。主な栄養はアミノ酸とビタミンBなります。

アミノ酸対策

アミノ酸はタンパク質を構成するものですが、お肉やプロテインを与えるのではなく、良質なアミノ酸が豊富なマメ科の牧草 (アルファルファやクローバー) やアルファルファが主原料であるペレットが与えてください。今のエサに適当に加える程度でも構いません。

ビタミンB対策

ビタミンBを摂取させるにはサプリメントが最も効果的です。以下のビタミンサプリメントは動物病院用なのでお勧めです。甘いのでとても扱いやすいです。直接飲ませたり、ペレットに染み込ませたり、水入れ混ぜてもよいです。

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エサ・水対策

エサはエリザベスカラーをしても食べやすいように高つきの皿にしてください。皿で水を飲むウサギなら、水も高つきの容器にして下さい。

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給水ボトルは少し高い位置につけて、カラーをしたウサギがやや上を向いて吸い口から飲める位にして下さい。カラーをしても食べやすい、牧草や野菜を多く与えるとよいでしょう。いずれにせよ、餌を食べている量や水を飲んでいる量を測って、問題ないか確認してください。

ブラッシング

お尻や足に盲腸便がこびりつきます。自ら毛づくろいもできないので、毛並みが悪くなります。

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ストレス対策

カラーすること自体がストレスですが、それ以外のことでストレスを与えないようにしてください。ケージから出してのへやんぽ等はいつもと同じに行い、玩具も可能な物を選んで与えてください。

これがポイント!

  • ウサギはエリザベスカラーを嫌がる
  • 傷に口が届かない大きさでないと意味がない
  • カラーはソフトタイプとハードタイプがある
  • ソフトタイプにはよだれ掛けタイプ、ハードタイプにはカップ麺タイプがあり、意外と好評
  • 餌や水が口にできるかを確認
  • 食糞対策をする

まとめ

基本的にウサギはエリザベスカラーを嫌がりますので、色々試さないと、どれが一番良いのか分かりません。できればカラーをしない方法を探してください。

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。