爬虫類で使用されるランプは大別すると電球(白熱電球)、放電ランプ(HIDランプ:High-Intensity discharge lamp、HID lamp)、LEDの3種類に分けられます。しかし、近年はLEDライトも流通し、これは世間のエネルギー・ライト問題が背景にあります。
白熱電球の製造中止
2000年代までは電球(白熱電球)は蛍光灯とともに、世界の主流の光源の一つでしたが、消費電力が大きいことから、2010年代に次第に省電力のLEDランプに置き替えられるようになりました。日本では、2014年に閣議決定された第4次エネルギー基本計画に基づき、段階的に電球の廃止が進められ、電球からLEDランプへの完全移行は2030年と想定されています。地球温暖化防止として、電球の生産・販売を一切終了して、LEDランプへの切替を促す動きが世界的にも広がっており、爬虫類に使用できるバスキングライトの製造にも影響を及ぼす可能性が高いです。しかし、白熱電球は禁止になるのではないため、爬虫類向けのバスキングライトの動向に注目していきましょう。なお、白熱電球が撤退される動向の中、代替器具としてセラミックヒーターが上げられます。セラミックヒーターは可視光を出さず、赤外線のみを出す保温用の製品になります。可視光を出さないのでライトではなく、用途としては保温ライトに分類されます。飼育ケージ内を効率よく温めることができますが、可視光を照射しないので明るくなりません。夜間の使用など可視光なしで温度だけを上げたい場合に使用されますが、熱は拡散しやすいためにホットポットを設けるのには向きません。飼育ケージ全体の保温や、ケージ内に温度勾配を作るのに役立ちます。あえて言えばセラミックヒーターを利用した電球タイプなら温度勾配が作りやすく、ある程度のホットスポットを設けやすいかもしれません。

水銀灯問題
本邦は地球規模の水銀および水銀化合物による汚染や、それによって引き起こされる健康、および環境被害を防ぐ目的で、国際的に水銀を管理することを目指した「水銀に関する水俣条約」を締結しており、「水銀による環境の汚染の防止に関する法律」等に基づく措置等を行っています。2023年に水銀に関する水俣条約の規制拡大によって、水銀添加製品である住宅、事務所、工場、店舗、作業現場、街路灯等で一般的に使用されている一般照明用の蛍光ランプ、低圧放電ランプ、HIDランプを、その種類に応じて2025年末から2027年末までに製造及び輸出入を段階的に廃止することが決定されました。既に使⽤している製品の継続使⽤、廃⽌⽇までに製造された製品(在庫)の売り買い及びその使⽤が禁⽌されるものではありません。一般照明用の蛍光ランプを使用している設備等について、計画的なLED化を進めることが推奨されています。そsのため、従来の蛍光灯の代替光源を早期に検討する必要性が高まっており、家庭用の蛍光管を製造している工場も製造を中止しLEDへ切り替えが始まっています。しかし、今回の規制対象が一般照明用の蛍光管となっているためUVランプなど特殊用途の水銀灯や蛍光灯は規制害外となり、今まで通り製造、販売されます。 たとえば、医療業界での紫外線殺菌や半導体産業などでは、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、ロングアーク水銀灯、UV蛍光灯などが不可欠な製品として使用され、植物・生物育成用のもも特殊用途に分類されるため、直ちになくなることはありません。 なお、今回のこれらの規制により、爬虫類の飼育においても、高電力のライトを使用し続けることに肩身が狭い思いをすると思われます。そして、紫外線ライトの寿命を迎えた時に同じ製品が手に入らなくなる、将来的な規制強化や廃棄コストが懸念される、より省エネルギーでメンテナンスコストを削減できる代替光源への移行という風潮の問題があり、やはり、LEDによる紫外線ライトへの移行が求められる可能性が高まっています。LEDは環境負荷の低減や運用効率の向上を実現できる次世代光源として、多くのメリットを提供します。紫外線LEDライトは従来の紫外線ライトの蛍光灯や水銀ランプに比べて寿命が数倍以上長く、消費電力を大幅に削減でき、調光機能により用途に応じた最適な紫外線強度を設定できます。紫外線LEDライトは水銀を使用しないため、廃棄時の特別な処理が不要で、環境にやさしい選択肢であり、。爬虫類飼育も徐々にLEDを使用する商品が増えてきてます。

LEDへの置換
LEDランプとは、発光ダイオードを使用したランプで、Light Emitting Diodeの頭文字をとったものです。青色LEDの開発により白色のLED開発が可能となり、照明としても利用される機会が増加しています。LEDランプは、蛍光灯や白熱電球といった従来型の照明器具と比較すると長寿命で、一度設置すれば管球交換のような頻繁な交換の手間が省けます。電力の多くが発光に使われる(発光効率が高い)ため、消費電力もなくいです。LEDランプについては、価格の低廉化がみられるものの、直管蛍光灯形のLEDライトなど、まだ市場規模もLED電球ほど大きくなっておらず、技術的や生産コスト的にも発展途上です。真空管やフィラメントを必要としないため、衝撃に対して比較的強いのも特徴ですが、小型・点光源点光源のために発光部が小さく作れるのも利点です。

両生爬虫類医療を勉強しよう
マニアから獣医師まで対応(今後もう聴けない)