生物の形質の形
爬虫類には、同じ種類や品種でも体色や模様、身体の大きさ、目の形状など、見た目が異なる個体が存在し、特徴を持った個体の交配や突然変異で発生します。交配によって特徴が表現として遺伝すると確認できたものをモルフ(Morph)と呼ばれます。多型(Polymorphism)を示す生物集団の形質のそれぞれの型をmorphと呼ばれることに名称は起因し、様々な特徴を持ったモルフが多く誕生しています。本来の野生種の特徴を持ったものを野生型とも呼ばれ、品種改良されていないノーマルな品種を指します。特徴的な形質がひとつあるものを単一モルフまたはシングルモルフと呼びます。この単一モルフ同士をかけ合わせることで複数の特徴が受け継がれます。これを複合モルフ、マルチモルフと呼びます。同じ品種でも様々なモルフの存在があることで、ペットの爬虫類では、飼育をする楽しみが増えることになります。モルフの名前には、一般的にその特定の外見的特徴や遺伝的特性が反映されています。

俗語
モルフという用語は学問上の専門用語ではなく、俗語の扱いとなっています。品種の中には亜種があり、また系統(strain, line)などの限定詞のもとに様々な種内変異に学名を付けていました。昔、Muller(1950)は、ショウジョウバエを用いた遺伝学的解析の結果から、対立遺伝子モルフで分類を行た論文を出しています〔Muller 1950〕。しかし、現在は国際動物命名規約によって品種以下にモルフは除外されており、分類学的に特別には使用されることはありません。
参考文献
- Muller HJ.Our load of mutations. Amer J Human Genet2:111-176.1950