オウム目
オウムもインコも同じオウム目(Psittaciformes)に属する鳥で、強靭な湾曲した嘴、直立した姿勢、強力な脚、そして鉤爪をもった対趾足などがあげられます。オウム目には以下の4科が分類され、その中でオウム科とインコ科と明確に分けれており、一般的には大型の種類がオウムで、小~中型の種類がインコであるとの分類くらいしか明確な鑑別基準がありません。オウム目の英名をParrotと呼ばれ、和名ではオウム目ですが、一昔前ではインコ目とも呼ばれており、一方に決まっておらず混沌としてます。オカメインコは分類学的にはインコ科ではなく、オウム科の最小型種で、インコという名前がついていますが、正確にはオウムの仲間になります。また大きいからオウムとは一概にいえず、コンゴウインコ類は最長のオウム科の鳥です。近年分子生物学が発達し、遺伝子配列にまで遡って生物の起源が分かるようになってきたことが、さらなる混同を生んでいます。従ってオウムとインコの分類学は未だ完成途上と考えた方がよいかもしれません。
オウム科 | Cacatuidae |
インコ科 | Psittaculidae |
ヨウム科 | Psittacidae |
フクロオウム科 | Strigopidae |
オウムとインコの違い
インコとオウムの大きな違いは、冠羽の有無、胆嚢の有無、羽の色の3つになります。
冠羽
オウム科はインコ科にはない、頭部に可動する冠羽をもち、自由に上げたり下げたりして仲間とコミュニケーションする他、敵に対して体を大きく見せかける防御手段にも使用されます。
胆嚢
オウムには、胃の中の食べ物を消化する胆汁を蓄える胆嚢がありますが、インコには胆嚢がないため、常に腸へ胆汁が排泄し、絶食すると胆汁と腸粘膜のみが排泄されます。
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羽根色
オウムは白や黒など地味な色をした鳥が多いのに対し、インコは青色や緑色などのカラフルで鮮やかな種類が多くみられます。このカラフルな色彩は、羽毛の異なる層の構造から反射する光の建設的干渉によって生み出されます。
オウム科
オウム(鸚鵡)は、オウム目オウム科(Cacatuidae)に属する鳥の総称で、主にオーストラレーシア(オーストラリア大陸・ニュージーランド北島・ニュージーランド南島・ニューギニア島およびその近海の諸島)に分布しています。一般的にオウムはインコよりも大型で、羽毛の色彩はインコと比べて地味な傾向があり、主に白色、灰色、または黒色を基調とし、バタン類は白色の羽毛を持り、モモイロインコとクルマサカオウムは、広範囲にピンクがかった色をしており、クロオウムやヤシオウムは黒色の羽毛を持っています。多くの種では羽毛に黄色、桃色、赤色などの小さな彩色の領域があり、主に冠羽や尾羽根に見られます。最も顕著な例はヤシオウムで、顔の広範囲にわたる赤色が入っています。他にもテンジクバタンやルリメタイハクオウムなど顕著な種が見られます。
インコ科
インコ(鸚哥/音呼)はオウム目インコ科(Psittacidae)に属する鳥の総称で、インコはオウムよりも広く分布しており、アメリカ、アフリカ、アジア、オーストラリアとポリネシアに至る太平洋東方まで生息している種もいます。かつてのインコ科は、インコ亜科とヒインコ亜科の2亜科から構成されていたり、また、これら2つのグループがインコ科(Psittacidae)とヒインコ科(Loriidae)と呼ばれ、正規の科として記述される場合もありありました。その後の分類体系では上記のインコ科とヒインコ科の単系統性は否定されており、旧インコ科Psittacidaeとヒインコ科はインコ科(Psittaculidae、アジア・太平洋・オーストラリア産のインコ類)、ヨウム科(Psittacidae、アフリカとアメリカ大陸産のインコ類)、フクロウオウム科(Strigopidae、フクロウオウムとミヤマオウム類)の3科に分けられました。