はじめてウサギを飼う人へ|飼育の心構え!

ウサギを飼う前に知っておくこと!

ウサギは可愛い動物で、とても人気があります。「一人暮らしでも変えるの?」「飼うのが楽なの?」と考えてしまいます。きちんとウサギの事を知ってから飼育をしましょう。ウサギの平均寿命は約7年ですが、最近は10年を超すうさぎも増えてきました。しっかりと飼うことであなたの素敵なパートナーになるでしょう。

ウサギは繊細で優しい

野生のウサギは外敵が多く捕食される動物で、巣穴に群れで暮らして常に敵から襲われないように警戒して生活しています。臆病な面もありますが、基本的に温和で優しい性格をしています。群れで生活する動物なので、飼い主さんを仲間と認識したら、とても人になれます。顔を見たら寄ってきて膝に乗るようになります。

ウサギは完全草食動物

ウサギは木の皮や植物を食べる草食動物です。植物を盲腸で発酵して栄養に変えています。食事は牧草を中心に、副食でペレットと野菜を与えて下さい。おかしの与えすぎには注意して下さい。最近、肥満のうさぎがとても多くなっています。

かじることはウサギの習性

ウサギは鋭い前歯で植物を切りとって、奥歯ですり潰して食べています。かじる行為はウサギの習性なのでケージやトイレの容器をかじらないように、かじり木を与えましょう。なお、ウサギの前歯と奥歯は、一生伸び続けますので、かじり木や牧草を与えることで、歯の伸びすぎを予防します。歯が伸びる食べれなくなる病気を不正咬合 (ふせいこうごう) と言います。

へやんぽ (部屋んぽ) をする

1日中ウサギケージに入れておいてはいけません。運動量が豊富なウサギはケージの中だけでは肥満になり、ストレスもたまってしまいます。ストレスがたまると、自分の毛を抜いたり、ケージをかむ行為が増えてきます。もちろん部屋の中で散歩をしている時は、家具や電気のコードなどをかじらないように注意して下さい。

ウサギの飼育ビギナーによくあるトラブルと疑問点

ウサギを実際に飼ってからトラブルや疑問点も沢山出てきます。その本の一部を紹介します。

ペレットばかり食べて牧草を食べない

牧草よりもペレットの方がおいしいです。しかし、線維質が多い牧草は胃腸の動きに必要なものなので、色々な種類の牧草を小さい時から与えましょう。ペレットが主食にすると太りやすくなります。牧草を多く与えることで不正咬合も予防できます。

尿が赤い

ウサギの尿は透明~白濁~赤褐色と、正常でも変化します。ウサギの尿が白濁するのはカルシウムが多く含まれているからです。そのためウサギはカルシウムの尿結石 (にょうけっせき) ができやすいです。一方で赤い尿だと、病気ではないかと驚いていまいますが、これは餌や体の代謝の要因のために正常でも起こります。しかし、尿結石や子宮の病気などがウサギに多く見られますので、心配であれば動物病院で相談しましょう。

毛が抜けて困る

ウサギの毛は年に2回ほど抜け替わります。細くて柔らかい毛をしていますので、ケージの中や部屋中が、毛だらけになってしまうという声をよく聞きます。毛が抜け替わる時は、飼い主がブラシをかけて下さい、自ら毛づくろいもしますが、大量に毛を飲み込んでしまうと胃の中で毛が貯まってつまってしまう、毛球症 (もうきゅうしょう) という病気が多く発生しています。

便がゆるい

ウサギはコロコロの糞をしていますが、時々緩い糞が固まって出てきます。これは盲腸便と呼ばれ、ウサギはこれを食糞する習性があります。普段は肛門に口をつけて盲腸便を飲み込んで食糞をしますが、何かの拍子で落ちている時があり、軟便や下痢と間違いやすいです。しかし、うさぎは下痢を起こすと命に係わるので、病気が心配ならば動物病院で早急に診察を受けて下さい。

メスは避妊手術をしないと子宮の癌になりやすい

メスのウサギは、年とともに子宮の病気になりやすくなります。子宮の病気になると、赤い尿が見られたり、おっぱいが張ったり、性格も落ち着かなくなります。正常でも赤い尿をするので、早期の発見につながらないケースが多いです。子宮の病気の中でも悪性の子宮の癌も発生確率も高いことは事実です。大人になったら卵巣と子宮を摘出する避妊手術を受けさせたいですが、ウサギは犬や猫と比べて、麻酔で死にやすいことも事実です。主治医の獣医師とよく相談して手術は決めて下さい。

ウサギの飼育に役立つ情報

「ウサギをもっと勉強したい!」「ウサギの検定ってあるのでしょうか?」

一般社団法人日本コンパニオンラビット協会といううさぎの福祉向上のために発足した協会があります。ここに入会すると、ウサギの特徴、性格、健康で長生きできるセミナーがオンラインで聴講できます。そして、うさぎの知識を深めて自信をつけたい方には、ウサギマスター検定という資格がありますので、ぜひトライしてみて下さい。

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この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。