トカゲ飼育の法的規制(輸入飼育できない種類)

輸入規制

野生動植物の国際取引のルールや規制対象となる希少な野生動植物を定めた条約であるワシントン条約附属書Ⅰ掲載種は、コモドオオトカゲ、イワイグアナ、フィジーイグアナなど数十種がいますが、爬虫類人気に伴い、全世界で保護体制に入っています。オーストラリアには、マツカサトカゲなどのアオジタトカゲ類をはじめ、固有種を含む多くの希少な爬虫類が分布し、2022年には自国原産の爬127種をワシントン条約の附属書に掲載することを要請しました。アデレードアオジタトカゲが附属書ⅢからⅠへ移行されたことも有名な話です。

生態厳守

日本の生態系を脅かす恐れのある特定外来生物に指定されているのは、スウィンホーキノボリトカゲなどのアノール類ですが、沖縄や小笠原諸島ではかなりの数のグリーンアノールが定着しています。在来昆虫の捕食、在来トカゲとの競合が大き問題となり、環境省が中心になってアノールトラップを使用したグリーンアノールの捕獲作業が現在も続けられています〔苅部 2005〕。

危険種

ドクトカゲ科全種コモドオオトカゲ、ハナブトオオトカゲは、動物の愛護及び管理に関する法律の改正に伴い、20202年から愛玩目的で新たに特定動物を飼育することができなくなりました。

参考文献

  • 苅部治紀.特集:爬虫両生類いいにおける外来種問題.外 来種グリーンアノールが 小笠原の在来昆虫 す影.フル爬虫両棲類学会報2005(2):163-168.2005

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。