トカゲ・ヘビの雌雄が尾の付け根の太さで鑑別するのはこのためです。盲嚢状のヘミペニスは海綿体の充血により外に反転して押し出され、メスに挿入します。ヘミペニスが2本ある理由は、メスは精子を体内に貯蔵することができ、その期間は5年かそれ以上に及びます〔Booth et al. 2011〕。この現象は隠蔽的雌性選択として知られ、メスには卵がいつ受精するかを決定する能力があり、1頭のメスは複数のオスと交配が可能で、いつ受精するかも選ぶことができます。さらにメスは複数のオスと交接していた場合、1回の産卵で多数のオスからの遺伝的要素を受け継いだ子供たちを産むことができます。それに対応して、オスが1本ではなく2本のヘミペニスを持ち、ヘミペニスのそれぞれは各1つずつの精巣とつながっており、1回の交尾で片方だけが使用され、もう1本は予備として機能し、1つの精巣が精子を使い尽くしたとしても交尾を継続できるよう、子孫繁栄のための戦略的な理由と言われています。
ヘミペニスは種類によって形状が異なり、特にヘビに多数の棘状突起が見られ、種類によって様々な形状をしています。ヘミペニスの棘はオスにとってより長い、つまり受精率が高い交配の助けとなっていると言う説があります。ヘビのヘミペニスの棘を外科的に除去しても、交配は可能でしたが、持続時間と交尾の深さは対照群と比較して遙かに低かったそうです。棘はオスがメスと交尾をする能力において重要な役割を果たしていると言われています 〔Friesen et al. 2014〕。
Friesen CR,Uhrig EJ,Squire MK,Mason RT,Brennan PL.Sexual conflict over mating in red-sided garter snakes (Thamnophis sirtalis) as indicated by experimental manipulation of genitalia.Proc Biol Sci281(1774):20132694.2013
Booth W,Schuett G.Molecular genetic evidence for alternative reproductive strategies in North American pitvipers (Serpentes:Viperidae):long-term sperm storage and facultative parthenogenesis.Biol J Linn Soc104(4):934-942.2011