ケージの下に敷くものは何がよい?
「爬虫類のケージに敷く床材は何を使っていますか?」床敷の役目とはケージの中で、足が滑るのを防ぎ、かつ見た目もよくしたいです。機能的なことだけを考えがちですが、生息地の湿気も床敷で調整できるし、そして穴掘りなどの習性を満たすことも考慮し、さらに安全なものでなければいけません。
- 足が滑らない/歩きやすい
- 見た目がよい
- 湿度調整
- 穴掘り
- 安全性
- コストパフォーマンス
四肢が滑らないようにしないと床敷の役割を果たしません。一般的には約3〜5cmの厚みになるように敷きますが、大きなケージや巣穴のように潜る習性のあるものでは膨大な床敷の量が必要となり、コストパフォーマンスが悪くなります。生体の種類によって床敷の材質で湿気も作らないといけません。一部の爬虫類は床敷を摂取しての誤飲の危険性はありますので、注意しないといけません。日頃のお手入れも、糞や尿が付いた部分の床敷を取り除き、汚れ具合によって、定期的に交換しないと、臭いが気になります。最近は床敷が素材でなく、マットタイプの床敷も販売されています。
選び方
種類ならびに生態毎に分けて解説します。
ヒョウモントカゲモドキ・フトアゴヒゲトカゲ・リクガメのための乾燥系の床敷
乾燥した環境を再現するなら、砂系、植物系、セラミック、紙系の床敷が使われます。
- 砂系
- 植物系 (バークチップ、クルミの殻)
- セラミック
- 紙系 (キッチンペーパー、ティッシュ)
砂系
細かい乾燥した床砂がよく使われており、生息地をイメージさせてレイアウト的に見た目も優れています。商品として販売されているものは、砂の粒の大きさは様々です。見た目だけでなく、バスキングライトやパネルヒーターで保温していると砂自体も暖まり、温まった砂の上にいる生体も暖まります。また、穴を掘る習性のあるヒョウモントカゲモドキやヨツユビリクガメなどは、床砂をかくことで習性が満たされてストレスが減る効果があります。
床砂の欠点は、粉塵として目に入って角膜潰瘍・角膜炎が起こる可能性と、餌と一緒に誤飲した際に、消化管閉塞の可能性があることです。爬虫類や両生類はエサ容器から餌をきちんと食べるとは限らず、特に生き餌などは容器から逃げ出すので、必然的に床砂と一緒に口にします。砂は少量であれば自然に糞と一緒に排泄されますが、運悪く胃や腸につまる。多くの床砂商品は排泄されやすい形状にするなどの策を取っています。下の写真はヒョウモントカゲモドキの床砂の誤飲のX線写真です。砂はX線にうつるために明確に診断できます。
下の写真はウーパールーパーの床石の誤飲のレントゲン写真です。エサを吸い込んで食べるので、床石を一緒に誤飲しやすいのです。
(砂系)ヒョウモントカゲモドキならコレ!デザートソイル
臭い対策&湿気対策ができる!天然の赤土から作られた多数の小さな孔が開いた砂で、多孔性の砂は糞や尿のアンモニアも吸着し、砂は排泄物とともに固まるので掃除も楽チン。そのまま使えば乾燥系、散水すれば砂が水分を含んで保湿系として使えるので、とても便利。
(砂系) デザートソイルとどっちが優れている?
高級品な赤土!優れた超消臭は最高、多孔質構造でしっかり保湿も抜群・・・排泄物の固まりは同じくらいです。
(砂系) フトアゴヒゲトカゲならデザートベース細目
通気性に優れ&湿度で砂色が変わる!とにかく綺麗にみせたいならこの天然砂。糞や尿が一緒にまとまるので、汚れた部分だけ取り出しやすく、乾燥している明るい茶色、湿らせると暗い茶色になるので、床材の湿り具合がひと目でわかり、湿度管理の目安にもできちゃう。
(砂系) 陸ガメならデザートベース粗目
歩きやすい粗目&湿度で砂色が変わる!とにかく、この天然砂、歩きやすいとカメが申しております。糞や尿が一緒にまとまり、乾燥している明るい茶色、湿らせると暗い茶色になり、湿度管理の目安にもなる。
(砂系) 見た目良くするならコレしかない!
とくかくかっこいい~白くサラサラの100%天然砂、ガラスの原料にも使用されるオーストラリア産超高純珪砂を使用。
植物系
植物系ではクルミの殻を砕いて床砂に似せた商品や赤松や黒松などの松の樹皮を細かくしたバークチップが使われます。クルミの殻を砕いて床砂に似せた商品は、見た目はまるで砂そっくりにできています。素材がクルミの殻を砕いたものなので、誤飲しても安全であるため人気があります。
バークチップやヤシ殻は一つ一つの欠片の大きさが異なるので、爬虫類にとって歩きやすい大きさの製品を選んであげて下さい。
セラミック系
最近はセラミックサンドと呼ばれるセラミックを焼いて作った砂も流通しており、消臭や有害物質も吸着する作用があります。セラミックサンドは潰すと砕けるように作られており、生体が誤飲しても排泄しやすくなっています。
紙系
見た目を気にしなければ、キッチンペーパーやペットシーツなどの紙系の床材が選ばれます。粉塵もないので目のトラブルを避ける目的で使用されることもあります。
ヘビなどの保湿系の床敷
熱帯や亜熱帯に生息している爬虫類には、土砂系や植物系の保質力の高い床敷がお薦めです。保湿系の床敷のデメリットは カビや虫が発生しやすいので、 定期的に交換することを心掛けて下さい。
- 土砂系 (赤土、黒土)
- 植物系 (ヤシガラ、ウッドチップ、水ゴケ)
土砂系では天然の赤土などを加工して作られたものが多く、保水性や通水性が優れているのが特徴です。粒のサイズが大きく、生体が床砂の上を歩いても足が埋もれないようにできています。
(土系) ジェックス テラリウムソイル
ワイルド感満載だぜ!土壌にいるバチルス菌が生きたまま配合された黒ボク土。バチルス菌は食べかすや糞のアンモニアまで分解して、ケージの中の衛生状態を改善。通水性ならびに保水性にも優れ、テラリウムの植物まで丈夫に育ちます。
植物系ではヤシガラ、ウッドチップなどよく使われます。散水する量で保湿の程度を変えることができます。保湿力をとにかく求めるなら水ゴケがベストです。水ゴケは水でふやかしてから使います。ケージの床全体に敷くだけでなく、シェルター内だけの局所的に湿度を上げたい時にも使われます。
乾燥でも保湿でも使える床敷
乾燥でもなく、やや湿った位の地域にいる爬虫類には何を使ったらよいのでしょうか?季節によって半乾燥や湿潤した環境を作らないといけないこともあるし、表面は乾いているけれど掘ると湿っているという状況などでも困ってしまいます。このような時にはヤシガラやウッドチップなら状況に合わせて全体を湿らせて使ったり、深い所は湿らせることもできます。必要に応じて霧吹きや散水して保湿の具合を変えることができます。安心ですよ。特にヤシガラは、湿気を吸い取る作用があるため、湿らせて使うことで、産卵床にも使用されます。
(植物系) 陸ガメならハスクチップ
自分で湿度を調整しちゃょおう!ココナツヤシ殻の床材で、四肢に優しい素材。
カビ防止プレート
床敷やキッチンペーパーの下に敷くことで、余分な水分を吸い取って湿気を取り、その水分をゆっくりと放出することでプレート付近を長時間高湿度に保つ。生きたバクテリアをプレートにたっぷり含ませ、湿度を与えることで活性化したバクテリアが床材へ移り、カビの発生を抑制する魔法のプレートです。
(魔法系)湿度調整プレート使ってますか?
ケージ内の乾燥しすぎを防ぐ!多孔質構造のセラミック製のプレートで、結構優れものですので、ぜひ一枚と言わず数枚引き詰めて!
マットタイプ床敷
床材でなく、マットタイプの床敷もあります。ケージの大きさに合わせて切って使用できます。そのままマットだけの使用の他にも他の床材と併用もできます。
(マット系)天然ココナッツ繊維のマット:ココマット
レプタイルボックス専用ですが・・・他のケージに使えます。通気性に優れるココナッツ繊維は温度と湿度を保ちます。
代謝性骨疾患が心配な時の床敷
炭酸カルシウムの砂で、床敷を口にしやすい爬虫類にとって、十分なカルシウムの補給になるという画期的な床敷です。
(砂系) サプリメント床敷って???
画期的な商品!甲羅も骨も丈夫にしちょおう!ちょっと贅沢かも・・
まとめ
爬虫類の床敷は足場になるだけでなく、温度や湿度管理にも影響し、穴をほるような自然の行動を生み出します。もちろん限られたケージ内の衛生管理のために掃除も楽にできるものが理想です。病気にさせずに健康にするために、床敷選びも大切なので、しっかりと選んであげましょう。