ボレー粉やカトルボーン以外の鳥のカルシウムサプリメント

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シード餌ならば必見!

餌のシードは栄養学的に炭水化物が多く、複数の栄養の欠乏を起こします。特に穀類には、ビタミンA、D3、K、B12、ヨウ素などは少なく、カルシウム等のミネラル類も必要量を満たす程は含まれていません。シードを主食にしている鳥では、常に栄養が偏った餌を与えられた状態なために、脚弱くる病・骨軟化症などの栄養学的疾患が好発します。骨はカルシウムとリンから構成されていますが、マグネシウムも骨の発育や強化に重要な役割を担い、骨維持に有用なミネラルです。これらのミネラル不足はシードを主食にしている鳥に見られ、くる病・骨軟化症骨折を引き起こす原因になります。また、産卵中のメスでは卵殻を形成するために大量のカルシウムが消費されます。カルシウムは単に摂取すれば良いという訳ではなく、リンとの比率、またカルシウムの吸収にはビタミンD3が必要です。しかし、カルシウム補給において一般に用いられるボレー粉やカットルボーンなどの鉱質の餌はビタミンD3を含まないために、カルシウムの吸収に影響が起こります。ビタミンD3はシードにも少なく、野生では日光浴で生成されるため、室内飼育の鳥では欠乏しやすいです。なお、ガラス越しの日光浴ではVD3の生成に必要な紫外線を遮断するため、注意して下さい。なお、ペレットには基本的にビタミンDやミネラルは含まれているために、普段の餌として給餌することが推奨されています。そして、鳥種的には、ヨウムやハネナガインコ類は他種よりもカルシウム欠乏に陥りやすくなると言われています。

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カルシウムの種類

鳥用カルシウムのサプリメントの成分の大半は、カキ殻の成分の炭酸カルシウムです。カルシウムの吸収率が最も高いのは乳酸カルシウムですが、高価なためペット用のサプリメントにはあまり使用されていません。

サプリメントの形状

一般的なカルシウムのサプリメントはパウダータイプで、飲水に溶かしたり、剝き餌であれば振りかけて使用しますが、カルシウムの入った水や餌だと口にしないことがあります。それは見た目なのか、あるいは臭いとも言われています。一般的なカルシウム剤には独特のミネラル臭さがあり、それを嫌って食べないことも考えられます。液体のリキッドタイプであると、飲水に均等に溶けて、匂いや嗜好性に影響しにくいと言われています。そして粉状のサプリメントは長期保管をしていると固まってしまうことがありますが、液体ではそのようなことも予防できます。

カルシウム以外の配合成分

カルシウムを吸収する上でリンとの比率が重要で、カルシウムとリンの比率(Ca:P)が、1~2:1が理想になり、結果的にリンが多くなると、カルシウムの吸収が阻害されます。また、ビタミンD3とマグネシウムがカルシウムの吸収に役立ちます。しかしながらビタミンDは、過剰に摂取すると身体に悪影響を及ぼし、各組織にカルシウムの沈着を起こしたり、腎臓にダメージも与えます。

お薦め商品

第4位 現代製薬 カルビタバード 50mL

どうしてもカルシウムが嫌いな鳥に!この甘い甘いサプリはいかが?液体のカルシウム製品で、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、タウリン、ニンニクエキス、クロレラエキスも配合されています。さらに、白糖までも配合のため、嗜好性が優れているのが特徴です。

第3位 黒瀬ペットフード 小鳥のカルシウム とひな・繁殖用 30g

乳酸菌や免疫も上げたい時はコレ!炭酸カルシウムが主成分の粉末タイプの商品です。アミノ酸やビタミン意外にも、納豆菌や乳酸菌もプラスして配合され、整腸、抗菌、抗酸化効果も期待できます。

第2位 とりっぴー バードサプリCa+ 30g

あくまでもカルシウム吸収を目指すならコレ!水溶性カルシウム(乳酸カルシウム)が主成分の粉末で分包されている商品です(最初に試すのに丁度よいですね)。カルシウムの吸収に必要なマグネシウムとビタミンD3も効率よく配合されて吸収率を高めています。一般的な液体カルシウム剤の濃度は10~30%の商品が多いですが、本品は50%の高濃度になります。 

第1位 ネクトンMSA 40g

老舗メーカー、安心して良い商品を選びたいならコレ!ネクトンMSA(エムエスエー)は、カルシウムやリン、マグネシウムなどのミネラル成分にビタミンD3や2種類のアミノ酸を配合した粉末サプリメントです。世界的にもネクトン社は有名な鳥へのサプリメントメーカーですので、安心して使用できます。

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この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。