鳥の羽毛嘴形成不全(羽毛がぼさぼさ)

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病気なのか

原因は脂肪肝が最も疑われますが、その他にも栄養のアンバランス(栄養性嘴羽毛形成不全)、甲状腺機能低下症(甲状腺腫)、または羽の異常を起こすPBFD(ウイルス疾患)羽毛ダニなども考えないといけません。特にセキセイインコでは、栄養のアンバランスによる脂肪肝と甲状腺機能低下症(甲状腺腫)、メスでは慢性発情も加わり、羽の異常と肥満が起こるケースが圧倒的に多いです。羽がボサボサと汚く見えるのは、羽毛の形状が異常になることで配列が乱れたり、切れやすくなったり、抜けるために、そのように見えるのです。羽色の変色も見らえることもあります。

羽毛形成不全 セキセイインコ羽毛形成不全

種子を主食にしていると甲状腺機能低下症(甲状腺腫)によって肥満になりやすくなり、メスであると慢性発情に継続する高脂血症でも脂肪肝の発生に拍車をかけます。甲状腺機能低下症(甲状腺腫)の症状が強く現れると、口をパクパクさせような仕草(呼吸即拍)が見られ、羽色も変化してくるようなります。また、換羽が上手く行われず、常に筆毛の状態になっています。また、オカメインコ、コザクラインコでは羽毛の変色が好発しますが、セキセインコでも明確ではありませんが起こります。

慢性発情は卵巣・卵管疾患も起こり、ヘルニアや骨変形なども見られ、脂肪肝と併発している鳥も珍しくはありません。

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検査

羽毛ダニは目視でも観察できますが、怪しい場合は羽毛を顕微鏡検査で確認をします。PBFD(ウイルス疾患)は変形した羽毛をサンプルにして遺伝子(PCR)検査を行うとよいです。脂肪肝は暫定的に診断することもありますが、X線検査や超音波検査、血液検査で評価します。その他、甲状腺機能低下症(甲状腺腫)の症状が発現しているか、メスでは卵巣・卵管疾患も併発しているかもしれません。

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。