鳥の嗅覚(強くはないらしい)

嗅覚は弱い

鳥は優れた視覚と聴覚を持っているが、嗅覚が弱いイメージがあります。詳細な嗅覚についてもほとんど解明されていませんが、一部の鳥類のグループでは嗅覚が発達しています。

弱くない種類

キウイは獲物のミミズの臭いを嗅ぎ分け、アホウドリ、ミズナギドリ、ウミツバメは外洋で水面近くの小魚やイカを臭いで探します。ハゲワシは優れた死肉を好んで食べるため、腐敗匂を好みます。匂いに関与する脳の嗅球の大きさは、生息地や食生活などの生態学的適応と相関すると言われ、ハゲワシなどの猛禽類や海鳥は、比較的大きな嗅球を持っていますが、道具や音声学習などの認知能力に依存するオウムの嗅球は発達していません〔Caspermeyer 2016〕。


参考文献

  • Caspermeyer J.Evolutionary Study of Birds’ Sense of Smell Reveals Important Clues for Behavior and Adaptation .Molecular Biology and Evolution33(1):295‐296.2016

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。