羽色の変色(白オカメが黄色に・・・コザクラが緑色に・・・)

鳥の羽毛の変色は嘴羽毛形成不全の一症状で、原因は肝疾患(脂肪肝)甲状腺(甲状腺機能低下症)、栄養の不均衡、あるいは慢性発情などが考えられ、これらが複雑に潜在していることも珍しくはありませn。羽色の変化は徐々に起こるので、気付かれずに進行してしまうことも多く、同時に以下のような症状も併発しています。特に羽毛の変色はオカメインコ、コザクラインコに特化して好発し、セキセイインコにも発生しますが、微妙な変色のため異常に気が付かれないケースも多いです。

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  • 羽毛形成不全
  • 嘴や爪の出血斑
  • 嘴過長

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オカメインコのYFS

いわゆるルチノーと呼ばれている白オカメインコの白色の羽が黄色に変色してきます。この病態を、イエローフェザーシンドローム(Yellow Feather Syndrome:YFS)と呼ばれています。なお、オカメインコはもともと黄色の羽をもつイエローという品種もいますので、間違えないで下さい。

コザクラインコ

ノーマルの緑色部分が赤色に変色するレッドフェザーシンドローム)がよく起こります。

セキセインコ

セキセイインコは、緑色や青色が薄くなります。下の写真では綿毛の伸長がも認められます。

セキセイインコ羽変色

まとめ

栄養のアンバランス、肥満、肝不全、羽や嘴の異常・・・すべてが連鎖して発生しますので、脂肪肝症候群とも呼ばれています。

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。