◎オカメインコってどんな鳥(知らないといけない生態と特徴)

オウムの仲間だけどインコ

飼育も繁殖も容易で、手乗りにしやすいことから、セキセイインコの並んで人気が高い鳥です。オカメ顔をしていますが、人の言葉をまねしてしゃべることはできません。しかし、口笛のような声でまねることはします。

分類・生態

オカメインコはNymphicus属の唯一の種類です。以前は、オカメインコがインコなのか、小型のオウムなのかは不明でしたが、近年の分子生物学的研究により、独自の亜科であるNymphicinaeに分類され、オカメインコはインコという名がついていますが、現在ではオウム科の最小亜科として分類されています。オカメインコは、当初1793年にPsittacus hollandicusとして記載され、 1832年にワグラーによって独自の属であるNymphicusに移されました〔Assis et al.2006〕。属名は、この鳥を見たヨーロッパ人が鳥がとても美しいと思ったことから、神話の小さな妖精(little nymph)にちなんで妖精(Nymphicus)という属名をつけ、種小名hollandicusは、オーストラリアの古い名前であるニューホランド(New Holland)に由来しています。1984 年のタンパク質アロザイムの研究では、よりオウムに近いことも示され〔Adams et al.1984〕、遺伝的解析配列データ〔Brown et al. 1999〕ではCalyptorhynchinae亜科に分類されていますが、他の解析では、この遺伝子が、 Calyptorhynchinaeに含めるのではなく、Nymphicinaeとして認識されることが示唆されています〔Astuti 2011〕。

オウムとインコの違いの解説はコチラ

分類

オウム目オウム科オカメインコ属
学名Nymphicus hollandicus
英名
:Cockatiel

分布

オーストラリア内陸
   

身体

体長:33~40cm(長い尾羽が全体長の約半分を占めています)
体重:80~90g
羽色:体は灰色、顔は黄色をしています。頬にオレンジ色のチークパッチがあり、各翼の外縁に目立つ白い斑点があります。嘴は灰色をしています。冠羽は驚いた時やディスプレィの時に逆立てます。顔のオレンジ色の斑(チークパッチ:Cheek patch)が、オカメ面のようなために和名がつけられました。
対趾足

生態

環境:湿地、低木地帯、灌木地帯を好みます。主に乾燥地帯または半乾燥地帯に生息していますが、常に水辺にいます。主に遊牧民であるこの種は、食料と水が利用できる場所に移動します。
行動:番あるいは数羽の群れをつくり、巣は樹洞を利用しています。真昼の日が強い時間はあまり行動せず、朝と夕方に活動することが多いです。

オカメインコ

食性:穀食性で、植物の種子を食べています。また、人の畑の栽培作物を食べることがよくあります。
寿命:10~15 年(飼育下で適切な生活環境であれば16~25年生きることもあります。確認されているオカメインコの最長寿個体は36歳だったと報告されています〔Brouwer et al.2000 〕)、

特徴

身体

冠羽

オカメインコの特徴的な冠羽は、感情的な状態を表現しています。驚いたり興奮したりすると劇的に垂直になり、平静またはリラックスした状態では緩やかに斜めになり、怒ったり防御的になったりすると頭の近くで平らになります。疲れているときは、冠羽が半分上向きになり、冠羽の先端が上にカールしているのが見られます。

オカメインコ 

尾羽

尾羽が全長の半分を占める位に長いです。ケージも止まり木から床までの距離を長くしないと尾羽が傷ついてしまいます。


粉綿羽

粉綿羽から粉が大量に出るのが特徴です。 粉綿羽は先端が伸びて崩れて粉になる羽で、換羽することがなく一生伸び続けると言われています。この粉が部屋の中で散らばりますので、気になる方は飼育に適しません。粉綿羽の粉を体にまぶすことで汚れの予防や防水効果が期待されています。

性質

大人しくて怖がり

オカメインコは基本的に怖がりで、大人しい性格をしています。

馴れると甘えん坊で遊び好き

人に馴れると飼い主には絶対的な信頼をよせる傾向があります。そして甘えん坊になり、常に注目されたいために鳴いておねだりをするくらいになります。遊びが好きな性格もしており、落ちた自分の羽根や粟穂などで一人遊びをます。

オカメインコ

手乗りにさせると人とのスキンシップを好みます。特に頭や首筋をなでると喜び、頭を下げて要求してくる位になります。

歩くのも好き

床を歩くことが好きで、ケージから出すと床をトコトコ歩くことが多いです。

鳴き声

オカメインコの鳴き声は決して小さいとはいえません。鳴き方は基本「ピュイー」と鳴きますが、ホイッスルの笛のよう、アラームのようと例えられ、とても良く響く声です。鳴き続けば不快になるかもしれません。幼鳥からしつけないと、鳴いておねだりをして、近所迷惑になるほどうるさいです。

オカメインコは人の言葉を話したり、歌ったりする能力は限られています。セキセイインコにようにおしゃべりはできませんが、口笛をまねることはできます。

意思表示

オカメインコは顔の表情や身体全体を使て、そして鳴き方も変えたりして感情や意思表示をする鳥です。他の鳥と比べてコミュニケーションがとりやすいです。

機嫌がよい
・翼を少し浮かせ、いかにも顔をつきだして興味ありそうな姿勢をします
・止まり木を行ったり来たり、反復横飛びの様に何度も往復します
・身体を大きく左右に揺すり、頭も上下に振る動作をします
・元気よくさえずります

オカメインコ

リラックス
・一人言のように、小さくつぶやくように鳴きます
・一本毎の羽を時間をかえて羽づくろいをします

羽つくろい

甘えたい
・首をかしげる仕草をします
・身体を擦りつけてきます
・自分の居場所を教えたり、気を引いたり、少し大きな声で「ピッ」と短く鳴きます

オカメインコ

寂しい
・小さな声で「ヒュ~イ、ヒュ~イ」と、哀しそうに鳴きます

驚いている
・冠羽を逆立てて、羽をぴったりと体につけて細くなります
・「キイ~~」と叫ぶように鳴きます
・嫌なことをされると「ギャッギャッ」と鳴きます

オカメインコ

オカメインコは夜中に突然驚いて、異常行動のようにケージの中で飛び回ることがあります。これは夜間だけでなく、日中においても同じ状態になることがあります。これをオカメパニックと呼ばれ、英語ではNight Frights(夜の恐怖)と呼ばれています。

オカメパニックの発生と対応はコチラ

これがポイント

・可愛いおかめ顔をしている
・ほぼセキセイインコと同じ生態
・性格はかなりの甘えん坊
・撫でるくらいに馴れる
・鳴き声で意思表示をする
・オカメパニックと言う突発的に驚く行動がある

参考文献

  •  Adams, M; Baverstock, PR; Saunders, DA; Schodde, R; Smith, GT (1984). “Biochemical systematics of the Australian cockatoos (Psittaciformes: Cacatuinae)”. Australian Journal of Zoology32 (3): 363–77. 
  • Assis, V.D.L.; Carvalho, T.S.G.; Pereira, V.M.; Freitas, R.T.F.; Saad, C.E.P.; Costa, A.C.; Silva, A.A.A.; Assis, V.D.L.; Carvalho, T.S.G.; Pereira, V.M.; Freitas, R.T.F.; Saad, C.E.P.; Costa, A.C.; Silva, A.A.A. (1990-01-06). Environmental enrichment on the behavior and welfare of cockatiels (Nymphicus hollandicus)”. Arquivo Brasileiro de Medicina Veterinária e Zootecnia68 (3): 562–570.2006
  • Astuti D.Phylogenetic relationships within Cockatoos (Aves: Psittaciformes)Based on DNA Sequences of The Seventh intron of Nuclearβ-fibrinogen gene.Jurnal Biologi Indonesia 7 (1): 1-11.2011
  • Brouwer, K.; Jones, M.L.; King, C.E. & Schifter, H. (2000). “Longevity records for Psittaciformes in captivity”. International Zoo Yearbook37 (1): 299–316. 
  • Cameron M.Cockatoos.CSIRO.Publishing.Australia.2007
  • David Alderton.You &your pet bird.Dorling Kindersley.London.1992
  • Gill FB.Ornithology,3rd ed.W.H.Freeman and Company.New York.2007

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。