オカメインコってどんな鳥(知らないといけない生態と特徴)

オウムの仲間だけどインコ

飼育も繁殖も容易で、手乗りにしやすいことから、セキセイインコの並んで人気が高い鳥です。オカメ顔をしていますが、人の言葉をまねしてしゃべることはできません。しかし、口笛のような声でまねることはします。

分類・生態

オカメインコはインコという名がついていますが、実際にはオウムの仲間です。オウム科の鳥は体が大きいことが特徴ですが、オカメインコは例外で小型の鳥です(オウム科の中で最小です)。

分類

オウム目オウム科オカメインコ属
学名Nymphicus hollandicus
英名
:Cockatiel

分布

オーストラリア内陸
   

身体

体長:33~40cm(長い尾羽が全体長の約半分を占めています)
体重:80~90g
羽色:体は灰色、顔は黄色をしています。頬にオレンジ色のチークパッチがあり、クチバシは灰色をしています。冠羽は驚いた時やディスプレィの時に逆立てます。顔のオレンジ色の斑(チークパッチ:Cheek patch)が、オカメ面のようなために和名がつけられました。
対趾足

生態

環境:乾燥地帯の低木、開けた森林、草原に生息しています。
行動:番あるいは数羽の群れをつくり、巣は樹洞を利用しています。真昼の日が強い時間はあまり行動せず、朝と夕方に活動することが多いです。

オカメインコ

食性:穀食性で、植物の種子を食べています。
寿命:10~15 年

特徴

身体

頭頂部にある冠羽が特徴です。驚いたり、緊張したり、危険を察知した状態では冠羽は立ち、リラックスした状態では寝かせています。

オカメインコ 

尾羽が全長の半分を占める位に長いです。ケージも止まり木から床までの距離を長くしないと尾羽が傷ついてしまいます。


粉綿羽から粉が大量に出るのが特徴です。 粉綿羽は先端が伸びて崩れて粉になる羽で、換羽することがなく一生伸び続けると言われています。この粉が部屋の中で散らばりますので、気になる方は飼育に適しません。粉綿羽の粉を体にまぶすことで汚れの予防や防水効果が期待されています。

性質

大人しくて怖がり

オカメインコは基本的に怖がりで、大人しい性格をしています。

馴れると甘えん坊で遊び好き

人に馴れると飼い主には絶対的な信頼をよせる傾向があります。そして甘えん坊になり、常に注目されたいために鳴いておねだりをするくらいになります。遊びが好きな性格もしており、落ちた自分の羽根や粟穂などで一人遊びをます。

オカメインコ

手乗りにさせると人とのスキンシップを好みます。特に頭や首筋をなでると喜び、頭を下げて要求してくる位になります。

歩くのも好き

床を歩くことが好きで、ケージから出すと床をトコトコ歩くことが多いです。

鳴き声

オカメインコの鳴き声は決して小さいとはいえません。鳴き方は基本「ピュイー」と鳴きますが、ホイッスルの笛のよう、アラームのようと例えられ、とても良く響く声です。鳴き続けば不快になるかもしれません。幼鳥からしつけないと、鳴いておねだりをして、近所迷惑になるほどうるさいです。

オカメインコは人の言葉を話したり、歌ったりする能力は限られています。セキセイインコにようにおしゃべりはできませんが、口笛をまねることはできます。

意思表示

オカメインコは顔の表情や身体全体を使て、そして鳴き方も変えたりして感情や意思表示をする鳥です。他の鳥と比べてコミュニケーションがとりやすいです。

機嫌がよい
・翼を少し浮かせ、いかにも顔をつきだして興味ありそうな姿勢をします
・止まり木を行ったり来たり、反復横飛びの様に何度も往復します
・身体を大きく左右に揺すり、頭も上下に振る動作をします
・元気よくさえずります

オカメインコ

リラックス
・一人言のように、小さくつぶやくように鳴きます
・一本毎の羽を時間をかえて羽づくろいをします

羽つくろい

甘えたい
・首をかしげる仕草をします
・身体を擦りつけてきます
・自分の居場所を教えたり、気を引いたり、少し大きな声で「ピッ」と短く鳴きます

オカメインコ

寂しい
・小さな声で「ヒュ~イ、ヒュ~イ」と、哀しそうに鳴きます

驚いている
・冠羽を逆立てて、羽をぴったりと体につけて細くなります
・「キイ~~」と叫ぶように鳴きます
・嫌なことをされると「ギャッギャッ」と鳴きます

オカメインコ

オカメインコは夜中に突然驚いて、異常行動のようにケージの中で飛び回ることがあります。これは夜間だけでなく、日中においても同じ状態になることがあります。これをオカメパニックと呼ばれ、英語ではNight Frights(夜の恐怖)と呼ばれています。

これがポイント!

・可愛いおかめ顔をしている
・ほぼセキセイインコと同じ生態
・性格はかなりの甘えん坊
・撫でるくらいに馴れる
・鳴き声で意思表示をする
・オカメパニックと言う突発的に驚く行動がある

参考文献

  • Cameron M.Cockatoos.CSIRO.Publishing.Australia.2007
  • Gill FB.Ornithology,3rd ed.W.H.Freeman and Company.New York.2007
  • David Alderton.You &your pet bird.Dorling Kindersley.London.1992

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。