エボシカメレオンってどんなカメレオン(知らないといけない生態と特徴)

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帽子がオシャレなカメレオン

エボシカメレオンはペットのカメレオンとしては飼育が容易な種類です。流通数も多く、帽子をかぶったような特徴的な外貌、丈夫なことから、カメレオンの入門種として最適です。ハワイやフロリダなどで野生化して定着しており、外来種問題になっています。エボシカメレオンはワシントン条約付属書II類掲載種です。ペットとして販売されているエボシカメレオンは主にアメリカやヨーロッパでのCB(繁殖)個体になります。

エボシカメレオン

分類・生態

分類

有鱗目カメレオン科カメレオン属
学名Chamaeleo calyptratus
英名:Veiled chameleon,Cone-head chameleon,Yemen chameleon

分布

イエメン、サウジアラビア南部

生態

環境
・植物が少ない標高2500mの高山~低地の乾燥した森林に生息しています。
・海に面した温暖な森林なので、乾燥した降雨の少ない地域ですが、地形の要因から海からの湿度のある空気が入りこみ、湿度はある程度は高いです。
行動
・樹上性で、地上には滅多に降りてきません。
・普段は単独で生活し、オスは特に縄張り意識が強いです。
・昼行性で、夜は木の上の葉の陰で休んでいます。

エボシカメレオン

食性:動物食の強い雑食で、主食は昆虫、節足動物などですが、水分摂取や餌が少ない理由から、カメレオンとしては珍しく植物の葉や果実なども食べています。
寿命:5~8年

身体

全長:40~60㎝

特徴

性質

基本的に温和ですが、危険を感じると体を大きく膨らませて体色を変化させ、威嚇音を出しながら、開口して威嚇してきます。

身体

頭頂部にカスク(Cask)と呼ばれる突起構造物が発達しています。烏帽子のように見えるため、エボシと名前がつけられ、学名のcalyptratusは「帽子を被った」の意味で、英名のVeiledは「ベールを被った」の意味です。

エボシカメレオン

カスクはオスで発達し、5cm程に上に伸びることもあるります。かつてはヘルメットカメレオンと呼ばれることもありました。幼体やメスではカスクは発達しません。

幼体は基調色が薄緑色~緑色の全身一色ですが、成長するとオレンジ色、黄色、褐色、白色の帯模様あるいは斑紋が縦方向に入ることが多いです。

通常は一色をしていても、環境を変えたり、興奮したりすると容易に斑模様が出てきます。

エボシカメレオン

上の写真のカメレオンが下のように模様が出てきます。

エボシカメレオン

背線や喉部にクレスト(Crest)と呼ばれる小さな鋸歯状の三角形の突起が並んでいます。

カメレオンの特徴と魅力の詳細な解説はコチラ!

品種

カラーバリエーションとして、ブルー系(ブルー、ブルーダイヤモンド)やパイド系(パイド、パステルパイド、ホワイトフェイスなどCB(繁殖)個体として流通しています。

ブルー

全身の基調色が淡い緑色を帯びた薄青色をしています。

ホワイトフェイス

頭部や四肢のみが白色を帯びています。

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。