チンチラの砂浴び

砂のお風呂

野生のチンチラは火山灰で砂浴びをして、あの分厚い毛皮のコートのメンテナンスをしています。ペットのチンチラにも砂浴び(Sand bath)をさせることが必要になります。

なぜ砂浴びさせるの?

チンチラの厚い毛皮は、皮脂から分泌する脂様成分であるラノリンによって、もつれるのを防いでいます。ラノリンは断熱効・保湿効果もありますので、寒い山の上で生活しているチンチラにとても役立っています。しかし余分なラノリンは自然に蒸発しませんので、砂浴びをすることで除去します。砂浴びは被毛に付いたゴミやホコリなどがも落とします。余分なラノリンやゴミが被毛付いていると、毛皮が固まってしまうからです。

チンチラ

砂浴びの頻度は?

砂浴びの決まった頻度はありませんが、1~2日に1回の頻度が目安、理想は毎日になります。砂浴びが好きなチンチラであれば、多めに砂浴びさせても問題ありません。

砂浴びの時間は?

砂浴びをする決まった時間はありませんが、1回に5~10分位がよいとされています。しかし、それほど長い時間砂浴びをしないチンチラも多いです。砂浴びを長い時間行うと皮膚が乾燥するといわれていますが、そのような事例はまれです。チンチラが容器から出たいとアピールしてきたら終わりにします。

どんな砂でも良いの?

砂浴びの砂は、ゼオライトをはじめとする粒子が細かい砂が使われ、たくさんのチンチラの砂浴び用の砂が販売されています。色々と使ってみてチンチラの好みに合ったものを選んで下さい。ホームセンターの園芸コーナーにゼオライトという小石が販売されていますが、そのままでは粒子が大きすぎて使えません。砂の粒子を細かくするために、コーヒー豆を挽く時に使うミル挽きで粉砕して、細かい砂にします。細かくした後に殺菌処理するために、砂を電子レンジでチンします。かなり面倒な作業になりますので、既製品を購入するべきです。

砂浴びさせる容器は?

チンチラ砂浴びさせる容器は寝転がって砂浴びできるものであれば何でもかまいませんが、たくさんの砂浴び用の容器が販売されています。砂浴びさせると砂が飛び散って白い煙幕が舞いますので、深めの容器が理想です。

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砂浴びのやり方は?

容器に入れる砂の量は、こまめに砂を取り換えるのであれば少量を入れ、取り換え頻度を少なくするのであれば、やや多めに入れても問題ありません。砂をいれる容器の深さの目安は、1~2㎝の深さがあれば十分です。

チンチラの砂浴び

容器の中で転げ回って砂浴びをします。時間をおいて何度も行いますので、飽きるまでやらせてあげましょう。砂場で糞や尿をしてしまったら、頻繁に取り換えなければいけません。逆に砂を汚さなければ、取り換える頻度は少なくて済みますか、残った砂には汚れなどが付着しているため、可能であれば2日に1回、最低でも3~4日に1回は全砂を取り換えます。

砂浴びを中止する場合は?

砂浴びによる弊害もみられ、狭い容器の中で煙幕のように砂が舞うため、結膜炎角膜炎などの眼疾患が好発したり、また細い被毛と砂が包皮とペニスの間に固まって絡んで炎症が起こることもあります。外傷を負ったり、手術後なども砂浴びを控えたほうが良い場合があります。なお、皮膚位糸状菌の場合は砂浴びの砂は行う度に毎回交換するのが賢明です。

まとめ

チンチラにとって砂浴びは毎日行う日課です。気にった砂と容器を選んで、快適に行ってもらいましょう。

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。