鳥のケージの大きさ

鳥は飛んでなんぼ

鳥は飛翔するように身体構造や機能が進化し、呼吸器、筋・骨格も、飛翔しない哺乳類とは大きく異なる。飛翔して餌を探し、飛翔しながら呼吸をし、常に飛翔することが必要な動物と言える。飼鳥をケージで飼育するということは飛翔が制限されることになり、身体機能を十分に活用することができません。しかしながら、部屋で飼育して十分に飛翔させるという環境は一部の飼育者でしかできず、多くはいわゆる鳥かごと言われる制限されたケージで飼育されています。そのケージの最低の大きさの明確な基準はない。鳥が翼を広げた長さの1.5〜2倍の大きさを目安に選ぶべきとも言われているが、これも根拠はない。ケージの中で羽ばたいたり、とまり木を行き来して飛翔することが必要となり、ケージ内が狭いものだと、壁などにぶつかってしまい、外傷やストレスが溜まります。

そのため、普段はケージで飼育しながら部屋の中で自由に放鳥する方法が推奨されています。鳥はケージの中で長い時間を過ごすことになるため、ケージはできるだけ広くすることが理想です。大きければ大きいほど理想ですが、飼育者の管理や飼育事情からその大きさが制限され、以下の表は最小限のガイドラインに過ぎません。フィンチなどはオウムよりも高代謝な鳥であるため、身体が小さくても活発なため、大きなケージでの運動が必要となります。また、尾がオカメインコなどの尾羽が長い鳥では、尾羽を傷つけずにケージの周りを移動できるように、高いケージが理想です。金網ケージの網間隔が不適切だと、鳥が怪我をすることもあるため、金網間隔も重要です。

鳥種最少ケージの大きさ
(奥行 × 幅 × 高さサイズ: cm)
金網隔 (cm)
フィンチ46 × 76 × 460.6-1.3
カナリア46 × 61 × 460.6-1.3
セキセイインコ46 × 46 × 611.3
オカメインコ51 × 51 × 611.3-1.6
ラブバード61 × 61 × 611.3
ワカケホンセイインコ61 × 61 × 911.3-1.6
コニュア
セネガルインコ
61 × 61 × 611.6-1.9
シロハラインコ属
ピオナス属 (アケボノインコ)
ズアカハネナガインコ
61 × 61 × 911.6-1.9
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小型なコンゴウインコ
小型オウム
ヨウム
91 × 61 × 1221.9-2.5
大型なオウム102 × 76 × 1222.5-3.8
大型なコンゴウインコ122 × 91 × 1522.5~3.8
表. 鳥のケージの最小限の大きさ

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この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。