ミルワームの解説とお薦め商品

イモムシじゃん

ミルワームとは穀物の害虫として有名な虫の幼虫で、古くから生き餌を与えている小鳥、爬虫類や両生類、熱帯魚などの餌として使われてきました。一般的にミルワームはフスマ (麦の皮) を入れた容器で飼育されます。幼虫でいる期間が長く、通常の室温では成長して甲虫になります。冷蔵庫などで約10℃位で管理すると成長が遅くなり、餌として使える幼虫の期間が長くなります。そして、水に濡れると死亡しやすいので注意して下さい。なお、基本的にはミルワームを主食には不適です。栄養価が高いですが、リンに対してカルシウムが少ないです 〔Finke 2002〕。餌サとして使う時にはカルシウムの粉をミルルワームの表面に振りかけてから与えたり (ダスティング)、ミールワームに野菜屑やドッグフードなどを餌として与え、栄養を整えてから与える方法 (ローディング) が用いられています。ミルワームはウネウネと動く生きている生き餌で与えると食欲を刺激しますが、管理するのがやや面倒であったり、生きた状態に抵抗がある人もいます。死んだ状態での生タイプや乾燥タイプの商品も作られています。

選び方

ミルワームの種類は2つ!

様々な大きさのミルワームがおり、与える動物の大きさに合わせて選んで下さい。通常のミルワームは小さいもので、バッファローワーム (ガイマイゴミムシダマシの幼虫) あるいはコクヌストモドキの幼虫です。中型のワームではチャイロコメノゴミムシダマシの幼虫で、体長は1.5~2.0 cmくらいになります。大きめのミルワームは、小さいものよりも2倍くらい大きく、ジャンボミールワーム、ジャイアントミールワーム、スーパーミールワームなどと呼ばれているツヤケシオオゴミムシダマシの幼虫です。

食欲を刺激する活きミルワーム!

生き餌のミルワームのことで、鮮度は高く、動いている虫を食べるのは動物の本能なので、食欲を刺激します。また、タンパク質が多く含まれているのも特徴です。生き餌のミルワームは、脱走や成長による羽化、死んでしまうなどのリスクもあります。温度管理なども必要になることから、手間もかかります。暖かい環境だと幼虫が孵化するので、冷蔵庫などの涼しい所で管理しないといけません。なお、脱皮したてのまだ白っぽいワームは柔らかいので使いやすいですが、いつでも確保できるものではありません。フスマ (麦の皮) を入れた容器で販売されていますが、カルシウムの補充ならびに栄養価を整えるために、ローディングが行われています。ヤシ殻や甲虫マットを敷き、餌として、ニンジンやホウレンソウなどの野菜、ラビットフードやドックフード、昆虫ゼリーなどを与えます。

保存食?缶詰生ミルワーム

生ミルワームとは、死んだミルワームを腐らない状態で、缶詰に密閉封入したものです。生ミルワームは生き餌のような管理が不要で、消費期限も1~2年と長期に保管ができます。使いたい時に缶詰を開ければ良いので手軽に使用できますが、一度開けると低温で管理しないと腐ります。生ミルワームは匂いのきついものが多いので、冷蔵庫の中に匂いが拡散するので注意して下さい。

ナチュラルペットフーズ ミルワーム 35g

加熱処理ワーム!まるで生きているような死んだ生ミルワーム!質の良いミルワームだけを選りすぐり、高熱スチームを使って瞬時に生き締めて缶詰にしました。完全殺菌もされているので衛生的にも安心して使えます。独特の風味が、動物たちは食欲を刺激してくれます。

イモムシダメな方はドライミルワーム!

ドライ(乾燥)ミルワームはワームを乾燥させたもので、生き餌や生ミルワームに抵抗のある人むけです。一度開封しても腐ったりせず長期で保存が可能です。しかし、ドライミルワームは、虫の風味は失われるため、嗜好性が低く、脂肪分も少ないです。ミルワーム自身の形に抵抗がある方はドライミルワームを粉したものがあるので、ペレットや野菜などの餌に振りかけて使います。

乾燥ならコレ断トツ! マルカン 虫グルメ 乾燥ミルワーム

40g
80g

なんとワームにカルシウム・ビタミンA・D3配合した新世代ミルワーム!

でかいワームならコレ! サンコー バグズスタイル ジャイアントミルワーム 30g

香ばしさと食感が良く、嗜好性が高いジャイアントミルワーム


おやつタイプのワーム

近年はミルワームを主原料としたピューレタイプのおやつまで販売されています。

大人気! マルカン レプタイルピューレミルワーム 5g×10本入

ミルワームが主原料!食べやすいピューレ状に仕上げ、高タンパク・高エネルギーで嗜好性の高いミルワームとカルシウムを配合しました。ピューレタイプなので、直接手から与えることができる!食欲がない時に大活躍!

まとめ

ミルワームにはいくつかのタイプがあり、好みもペットによって大きく異なり、実際に与えてみないと喜んで食べてくれるか分かりませんので、ベストのミルワームは正直ありません。ペットに合うものは一つ一つ試しながら、喜んで食べてくれるものを選んであげましょう。

参考文献

  • Finke MD.Complete Nutrient Composition of Commercially Raised Invertebrates Used as Food for Insectivores.Zoo Biol.21(3):269-285.2002

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。