【生理】草食動物の揮発性脂肪酸(VFA)

VFAは重要なエネルギー

ウサギ、モルモット、チンチラなどの草食動物が食べた繊維質を盲腸内の微生物叢が、難消化性の糖質や食物繊維を分解・発酵して、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの揮発性脂肪酸 (VFA: Volatile Fatty Acid) が生成されます。草食動物にとってはVFAは重要なエネルギー源であり、これらの化合物は通常、腸の内層に吸収され、健康維持に欠かせません。つまり草食動物は腸内微生物叢との共生により、本来消化できない植物の繊維をエネルギーや体の組織に変えているわけです。ウサギのVFAは維持エネルギー要件の約40%に相当します 〔Marty et al.1984〕。ウサギは48時間絶食するとVFA生成も減少すると言われているため 〔Vernay et al.1975〕、身体の影響が起こることが予想されます。

VFAの組成

VFAである酢酸、プロピオン酸、酪酸は短鎖脂肪酸で、揮発性という名前の通り、蒸発しやすいという性質のためエネルギーとして利用しやすいです。摂取する栄養素の影響で生成されるVFAの組成は変わってきますが、ウサギでは酪酸はプロピオン酸よりも高いとも言われ、能動輸送で選択的に結腸で吸収されます 〔Vernay et al.1975〕。

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参考文献

  • Vernay M,Raynaud P. Distribution of volatile fatty acids in digestive tract contents of rabbit. I.–Rabbits fed with lucern and oat (author’s transl).Ann Rech Vet6(4):357-368.1975
  • Marty J,Vernay M. Absorption and metabolism of the volatile fatty acids in the hind-gut of the rabbit.Br J Nutr51(2):265-277.1984
  • Vernay M,Raynaud P. Distribution of volatile fatty acids in digestive tract contents of rabbit. II.–Rabbits subjected to fasting (author’s transl).Ann Rech Vet6(4):369-377.1975

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。