【生理】鳥の托卵(ジュウシマツの仮母)

托卵

托卵とは、鳥が自分の卵や孵卵した雛への世話を他の個体に托すことで、育ての親は仮母あるいは仮親と呼ばれてます〔山内 1995〕。野鳥ではカッコウが、オオヨシキリ、ホオジロ、モズ等の巣に托卵する例が有名です。カッコウの雛は巣の持ち主の雛より早く生まれ、本来の雛を巣の外に押し出します〔樋口 1995〕。カッコウの雛は仮親の唯一の雛となり、仮親からの餌をもらい、成長して巣立っていきます。

ジュウシマツの仮母

飼鳥ではジュウシマツは子育ても上手なことから、他のススメ目の仮母として、抱卵して孵卵させたり、その雛を育てさせる目的で使用されます。巣引きが下手なキンカチョウなどが、ジュウシマツの仮親を使うことが有名でした。

参考文献

  • Kingsley Omogiade Idahor.Avian Reproduction.Nasarawa State University.2021
  • 樋口広芳.托卵習性に見る鳥類の繁殖適応.Journal of Reproduction and Development41(6).j127-j133.1995
  • 山内淳.鳥類における托卵行動の進化.野外観察・実験と理論.日本生態学45(2):131-144.1995

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。