イモリ・サンショウウオと人との関係(興味深い話)

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漢方薬

オオサンショウウオや小型サンショウウオが漢方薬として、強壮・健胃・整腸・鎮痛作用が期待されています。時に蛋白質補給による栄養改善の目的で食されといわれ、福島県檜枝岐村には、山人(やもど)料理という伝統的な郷土料理があり、油で揚げたハコネサンショウウオが名物でした。また、日本でもオオサンショウウオは普通に食用されてきましたが、現在は天然記念物で捕獲することも禁止され、中華料理で食用のチュウゴクオオサンショウウオが高級食材とされています。アホロートルも現地のインディオたちの蛋白源の1つとされ、肺病改善・強壮の薬効が期待されていました。しかし、日本で有名なものは、精力剤としてのイモリの黒焼きで、アカハライモリを炭火の上で蒸し焼きにしたものです。本来は中国ではヤモリの黒焼きが珍重されていましたが、理由は不明ですが、日本ではそれがイモリになりました。イモリの黒焼きは、井原西鶴の「好色五人女」や落語の「いもりの黒焼き」などがで、取り上げらていますが、アニメ映画の千と千尋の神隠しにおいて、主人公のリンがぜイモリの黒焼きを見て顔を赤くしたのは、精力剤のような役割をしていることを知っていたためと言われています。

精霊

サラマンダー、特にファイアサラマンダーは、中世からヨーロッパでは火を司る四大精霊とされ、近世も馴染み深いイモリとして禁忌があります。

アホロートルは、古代メキシコの変幻自在の神ショロトルの化身と言われ、拝められてきました。

イモリとサンショウウオの違いは?

実験

イモリ・サンショウウオは、体の組織の再生能力を持っており、また、胚発生の実験材料としてもよく用いられています。卵がが透明な寒天状物質に包まれており、容易に観察できる点などの利点が多い。そのため、1994年には、アカハライモリがスペースシャトル・コロンビア号に搭乗し、微小重力下での産卵や発生の実験と観察が行わました。

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この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。