ウーパールーパーの餌(何を与えるのか)

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主食はペレット

野生のウーパールーパーは食性で、水中の子魚、昆虫、甲殻類(小エビ)、ミミズなどを食べています。活発に動き回って餌を食べるのではなく、環境にとけ込んで餌を待ち伏せして、目の前を通っら一口で飲み込みます。飼育下での餌は、ウーパールーパー用のペレット、アカムシの冷凍餌、大きい個体であれば小魚、メダカ、小エビなどを与えます。ウーパールーパーは、水面の上から顔の前に餌を落として与えれば、パックと食いついてきます。

ウーパールーパー

生き餌の小魚やメダカは夜になると活動が鈍くなり水底で休んでいます。その時を狙ってアホロートルは待ち伏せして食べます。

ウーパールーパー

7~10cmを越える位までの幼体では毎日与え、成体は毎日与える必要はなく、週に2~3回程度で良いです。馴れてくるとピンセットや手からもエサを食べてくれます。できるだけエサを1つずつ目の前に落ちるように落としてあげて下さい。そのような餌の与え方を繰り返していると、ウーパールーパーはエサは上から来るものだと覚えて、人が水槽に近寄ってくると近づくようになります。

大きさ別に餌を使いわける

ウーパールーパーの大きさで使い分けて下さい。

  • オタマジャクシ:ブラインシュリンプ
  • 10cm以下(幼体):赤虫
  • 10cm以上(幼体~若齢):赤虫~ペレット
  • 20cm以上の成体:ペレットや生き餌並び項目

オタマジャクシ

ブラインシュリンプという栄養価の高い動物性プランクトンを与えます。

10cm以下

体力がない時期で、成長には栄養価の高いエサが必要になります。栄養価が高く、そして嗜好性も高い赤虫を主食にして下さい。赤虫には生き餌と冷凍餌があり、保管するには冷凍餌が便利です。

10cm以上

全長が10cm程度になれば体力もついてきているため、主食を赤虫からペレットにするために、少しずつ与え始めます。

20cm以上の成体

ここまで大きく育てば、主食はペレットにして、生き餌も食べられます。

エサの種類

ペレット

ペレットは小エビや魚の成分を中心に、澱粉をつなぎにして乾燥して、1粒ずつ固めたものです。おおよそ粗蛋白が40~48%、粗脂肪が3~5%の成分で出来ています。各種栄養素はバランスよく配合されておりますが、この成分が本当にウーパールーパーに適したものかどうかは分かっていません。ウーパールーパーの大きさにに合わせてペレットの粒のサイズを選びます。基本的にはペレットだけ与えていても問題ないです。常温で保存できるので、与えやすく、他にもサプリメントなども入っている商品もあります。ウーパールーパーにとって食べやすく、沈むように作られているので、粒を水中に放り込むだけなのでとても楽です。ペレットは澱粉が多く配合され、水分を吸ってお腹の中で膨らむので消化管うっ滞、エサの発酵により鼓腸症の発生要因になりやすいです。浮上病(ぷかぷか病)の原因になりやすいとも言われています。与え過ぎには注意して下さい。ペレットは開封後は劣化して痛んできますので、開封後は1ヵ月程度で使い切りましょう。

コメット ペット用 ウーパールーパーの主食 85g

バナナ味の美味しいペレット!果物の風味が抜群です。栄養素をバランス良く含んだ専用の沈下性ペレットです。スプーン付きで、手を汚さず簡単に与えられます。

キョウーリン ヒカリ (Hikari) ひかりウーパールーパー

30g
大粒 30g

胃腸のことを考えるならコレ!小さなウーパールーパーも食べやすいサイズの沈下性の専用のペレットです。食欲を刺激するためにアミノ酸を添加し、とても食いつきがよいです。水分を吸ってやわらかいスポンジ状になり、お腹での消化を助けます。大粒のサイズも販売されています。

生き餌

生き餌は野生で食べているものに近く、嗜好性方いため食いつきが最も良いです。小エビ、メダカや金魚などが入手しやすいですが、色々な種類を与えてみましょう。生き餌を与えるためには飼育する手間があり、価格も高いのが欠点です。生き餌を食べ残した場合にエラなどを突かれる場合がありますので、食べ切る分だけ与えて下さい。孵化後のオタマジャクシにはブラインシュリンプ(子エビの幼体)、少し発育した5cm以下の幼体には赤虫やイトミミズが適したエサになります。

ブラインシュリンプ

ブラインシュリンプは動物プランクトンの一種で、熱帯魚の小さな稚魚らのエサの代表です。孵化直後のオタマジャクシのエサにブラインシュリンプを中心に与えますが、動物性タンパク質が多く高栄養価であるのが特徴です。オタマジャクシは成長が著しくタンパク質の吸収能力も高いため、肥満を心配することはありません。卵から孵化させてエサとして使用するので扱いが大変になります。

ブラインシュリンプの詳細はコチラ!

アカムシ

アカムシ(赤虫)はオオユスリカやアカムシユスリカなどの蚊に似た昆虫であるユスリカ類の幼虫です。名前の通りに赤色をしており、これは赤血球を持っているため赤く見え、体長は約1cmです。アカムシのメリットは、動物性蛋白質が豊富で栄養価が高いことです。そして、嗜好性が高いので、ウーパールーパーは好んで食べてくれます。食べすぎによる肥満には注意して下さい。昔はアカムシによる病原菌のリスクがあると言われてましたが(実際にアカムシを与えたことで病気にかかったという話はほとんど聞きません)。

アカムシの詳細はコチラ!

子エビ

スジエビ、ミナミヌマエビ、ヤマトヌマエビがエサになります。全長が10cmぐらいのウーパールーパーに与えて下さい。

メダカ

熱帯魚用のエサとして売られているヒメダカがウーパールーパーのエサになります。すばしっこく泳ぐので、少し食べにくいです。旅行などでしばらくエサが与えれえない時など、ちょうど良い餌になります。

金魚

熱帯魚のエサとして売られている小さい金魚がエサになります。小さいものは小赤、大きいものは姉金と呼ばれ、小赤がウーパールーパーのエサに適しています。メダカと比べると大きいので、大きな成体向けのエサです。食べ残しをすると、ウーパールーパーの鰓を食べてしまうこともありやや注意が必要です。

冷凍餌

冷凍餌は新鮮な状態で生餌を冷凍させたもので、死んでいる餌ですが嗜好性が高く、長期保存なのでとても便利です。保管は冷凍庫なので、家庭の冷蔵庫に保存するのに抵抗がある人もいるかもしれません。冷凍のアカムシなどは小さい幼体に適したエサです。

冷凍アカムシ(赤虫)

アカムシは水中にいる羽虫の幼虫で、幼体だけでなく、成体も好んで食べてくれます。しかし、蛋白質が足りないので、これを主食にはしないで下さい。下記の商品は赤虫に塊が冷凍保存されブロックに分けられています。ブロックの表面を折るように指で押し出すと、アルミ箔が破れて1つずつ塊が取り出せます。別容器に取り出して一度溶かしてから、少しずつ与えて下さい。本来は生き餌で、昔はアカムシによる病原菌のリスクがありましたが、現在は殺菌がなされているものがほとんどでしょう。

乾燥餌

乾燥餌は生き餌を乾燥させたもので、常温で保存ができて、すぐ取り出せる容器に入れられてるので簡単に与えることができます。乾燥した赤虫やミミズ、小エビが販売されています。反面乾燥させているため栄養価も落ちて、嗜好性もよありません。乾燥しているために水に浮いてしまうので手渡しじゃないと与えられないの欠点です。栄養価も低いので、これも主食には向いていませんので、おやつ位の間隔で与えて下さい。

キョーリン 乾燥赤虫 5g

急速凍結真空乾燥しているアカムシ

その他

生肉や刺身などを与える方もいますが、水を汚すのであまりお勧めしません。水換え前などには与えても良いかもしれないですね。

これがポイント!

・主食は専用のペレット
・幼体ではアカムシの冷凍餌
・成体では生き餌の小エビ、メダカ、金魚、小エビなども食べる

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この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。