ウーパールーパーの品種(白だけじゃない)

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色や模様のデパート

ウーパールーパーは体色ならびに模様、目の色で多くのバリエーションがあります。突然変異が出現しやすく、様々なタイプが作られており、その定義も曖昧な点もあります。

体色ならびに模様

体色および模様のバリエーションは、アルビノ(白色赤目)、リューシスティック(白色黒目)、ゴールデン(黄色赤目)、マーブル(灰色に黒色斑)、ブラック(黒色)の5種類が基本になっています。

目の色

目には白目ならびに赤目、黒目、金輪有りの3つのタイプがあります。体色および模様のバリエーションによって目の色は決まっているので、鑑別にも使われます。

白目(赤目)

目が白あるいは赤色をしてます。黒色色素を欠いているので白色になり、血液で赤く見こともあります(赤目)(アルビノとゴールデンに見られる目の色です)。

黒目

黒一色のつぶらな瞳をしています。瞳孔は半透明で、黒色の輪で囲まれています(リューシスティックとブラックに見られる目の色です)。

金環

黒目の周りに金の輪があります。目の中心部の瞳孔の周りに、光沢のある金環と呼ばれる輪が見られ、金環も幅や発色が違いがあります(リューシスティクとゴールデンに見られる目の色です)。

ウーパールーパー金環

ブラックに金環を持つものはいなく、ゴールデンは全て金環です。

リューシスティック

リューシスティックは白色の体で黒目のタイプで、ホワイト黒目とも呼ばれます。体の白色はややピンク色を帯びていることもあります。ウーパールーパーの代表的な色といえる種類です。
アホロートル 

アルビノと比べて白の色素が完全に失われていないため、体の表面、特に頭や顔に黒の紋様が現れることがあり、ソバカスやシミと呼ばれます。これはメラニン色素が何らかの理由で発現したもので、異常ではありません。時に消失することもあります。

リーシスティックは目とエラでバリエーションがあります。

目のバリエーション

黒目は実際は、普通の黒目と金環のある黒目の2つのタイプがいます。

鰓のバリエーション

黒色のメラニン色素が鰓にも出現し、紫色を帯びたタイプと、色素を欠いた赤色の2つのタイプがいます。

紫色の鰓

ウーパールーパー

赤色の鰓

アルビノ

アルビノは黒色色素を欠き、全身が模様のない白色で、目は白目あるいは赤目になります。

ウーパールーパー

アルビノとリューシスティックとの違い

アルビノとリューシスティックは白色のウーパールーパーで、とても似ています。アルビノの目は白目か赤色ですが、リューシスティックは黒目か金環です。アルビノは黒色色素を持たないため、ソバカスやシミは発現しません。

アホロートル

アルビノ

アルビノは他のタイプと比べて、視力が弱いです。エサと思って何でも食いつく性質があり、共食いや同居個体の手足をかんでしまうような事故が起きやすいです。

アルビノは体色でいくつかのバリエーションがあります。

体色のバリエーション

通常の白色以外に、イエローアルビノ、ゴールデンアルビノ(ゴールデン)、ホワイトアルビノ、などがいます。ちなみに下記で説明するゴールデンと呼ばれるカラーは、アルビノの1種のゴールデンアルビノのことです。

イエローアルビノ(アザンティックアルビノ)

体色が黄色になるタイプのアルビノです。生まれた時から黄色、あるいは加齢に伴って黄色が発色することもあります。黒色色素を欠いているアルビノですが、他の色素が残っているため黄色になります。下記のゴールデンというカラーに似ていますが、ラメ紋様と呼ばれるキラキラの斑紋(体色を決める虹色素胞(こうしきそほう)がキラキラ光っている)がありません。

ゴールデンアルビノ(ゴールデン)

ゴールデンアルビノは一般的にゴールデンと呼ばれていものです(下記参照)。

ホワイトアルビノ

ホワイトアルビノはノーマルアルビノと比べて体、特にエラ部分がラメ模様が多くあるタイプです。

マーブル

野生個体に最も近く、基本的には褐色~暗褐色の体色に黒色の斑や模様が不規則に入り、迷彩柄に近い色をしています。目は黒目の金環です。

アホロートル
アホロートル

マーブルは色や模様幅が広く、体色も薄茶色ベースや緑色、黄褐色、黒色の斑や模様の数や大きさも様々です。個体によりラメ模様が鰓や体部分に出ることもあります。

加齢とともに黒色の斑や模様が増えたり、大きくなったりして、全体的に黒色を帯びて、ブラックとの鑑別が難しくなります。

アホロートル

マーブルとブラックとの違い

色が濃いマーブルだとブラックと間違いやすいです。マーブルの目は黒目の金環で、真っ黒の黒目は存在しません。金環のない黒目の個体はブラックです。

マーブル

ブラックとマーブルは活発な性質で、よく食べると言われています。そのため成長する速さも早く、大型になりやすい傾向にあります。

ゴールデン

アルビノの中で特に黄色あるいはクリーム色が強く、体にラメ模様が入るものはゴールデンと呼ばれています。最も美しいウーパールーパーとも言われています。マーブルと同様にラメ模様の数や大きさも様々です。

アホロートル

アルビノの一種なので視力が弱いです。エサと思って何でも食いつく性質があり、共食いや同居個体の手足を噛んでしまうような事故が起きやすいです。目は白目で金環があり、アルビノアイ(Albino eye)と呼ばれています。ラメ紋様は成長とともに変化し、成長に伴って減少する傾向があります。このラメ紋様は個体差があり、顔以外の体全体にラメ紋様があるものや、紋様が小さくてアルビノと区別が難しい個体もいます。

ゴールデンとアルビノとの違い

ゴールデンはアルビノの一種で見分けは難しい時があります。ゴールデンはラメ模様が入っていますが、アルビノにはありません。

アホロートル

ゴールデン

体色のバリエーション

ゴールデンの体色は黄色かクリーム色ですが、個体によって色の濃淡があります。アルビノに近い薄い黄色から、オレンジを帯びた濃い黄色いもいます。

イエロー

イエローの特徴は、ゴールデンの色が濃く、ラメが多い個体をイエローと呼ぶこともあります。

ブラック

ブラックは顔から体全体が黒色に近い一色のタイプです。目は必ず黒目です。マーブルでもブラックに近いような黒色がいますが、マーブルの目は金輪です。

アホロートル

体色のバリエーション

ブラックの体色は黒色ですが、個体によって黒の強い薄いなどの色の濃淡、青色や灰色を帯びた個体もいます。

アホロートル

ブルー(グレー)

幼体では体色に青色を帯び、この青みが強いものがブルーです。しかし、成長すると青色は消失する傾向にあります

スーパーブラック

特に黒色が強く、ほぼ完全に黒色をしています。

体型のバリエーション

近年は胴が短いショートと呼ばれている個体が作りだされ、ショートボディやバルーンとも呼ばれています。

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この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。