◎カリフォルニアキングスネークってどんなヘビ(知らないといけない生態と特徴)  

目次 [非表示]

カリキンと呼んで

カリフォルニアキングスネークはアメリカ西部に分布するコモンキングスネーク(Lampropeltis  getula)の一亜種で、カリフォルニア州を中心に生息しています。名前が長いため、カリキンと略された呼称で呼ばれ、他の亜種とともに人気があります。コモンキングスネークの学名のLampropeltisはギリシャ語の「光輝く覆い」という意味で、光沢のある輝きを持った鱗をしています。他のヘビまで食べてしまうことが多いため、ヘビの王様という意味でキングスネークと命名されました。特に、毒の耐性を持っているためにガラガラヘビ様々な毒蛇も食べることから、キングスネークと呼ばれていますが、自らは毒をもっていません。また、全ての毒に対して免疫を持っているわけではありません。

分類と生態

分類

有鱗目ナミヘビ科キングヘビ属
学名Lampropeltis getula californiae
英名:California kingsnake

分布

アメリカ合衆国(アリゾナ州、オレゴン州、カリフォルニア州、ネバダ州、ユタ州)、メキシコ(バハ・カリフォルニア州、バハ・カリフォルニア・スル州)

キングスネークの分布地図

生態

環境:平地から山地にかけての森林、農地など、その生息域は多岐に渡ります。
活動:半樹上性のヘビで、時に木に登ったりもし、群れをなす性質もあります。主に昼行性ですが、暑い時期には夜行性になる傾向があり、周囲の気温に応じて昼夜を問わず活動します。冬は冬眠して越冬します。
食性:動物食で、小型哺乳類、鳥類やその卵、小型の爬虫類や両生類などを食べています。毒のあるガラガラヘビを含む他のヘビを狩って食べる性癖もあります。締め付けて獲物を殺し、体の大きさに比例した締め付け力を持つヘビの中では最も強いです。

カリキン

寿命:10~15年

身体

最大全長:150cm

特徴

性質

一般的に物怖じもしなく、余り活発ではないです。コーンスネークよりも多少気が荒い面もあります。攻撃を受けると体を丸めて頭を隠し、シューという音を立て、尾をガラガラと鳴らします。この音はガラガラヘビに似た音を出します。また、緊張すると尾をピクピクと動かす傾向があります。

カリキン

身体

品種や地域によって様々な色や模様をしています。褐色の体色に、横縞か縦縞が入っており、縦縞のタイプをストライプ(Stripe)、横縞のタイプをバンデッド(Banded)と呼ばれています。そして、縞の色が黄色をコースタル( Coastal)、白色をデザートと呼びます。つまり、黄色の横縞をしているものをコースタル・バンデッドと呼ばれているのです。瞳孔は円形で、目は黒目です。体鱗列数は23か25、腹板はオスで213~250枚、メスで213~255枚、尾下板はオスで46~63枚、メスで44~57枚です。

【解剖・生理】ヘビの分類と特有の解剖・生理の解説はコチラ

品種

カリフォルニアキングスネークは、飼育のしやすさ、魅力的な外見、おとなしい性格から、最も人気のあるペット爬虫類の1つです。現在流通しているカリフォルニアキングスネークは品種改良したCB個体が多数流通しています。体色や模様により、様々なバリエーションがいます。バンデッド(横縞)、ストライプ(縦縞)のタイプから、多くの品種が作られ、バンデッドとストライプの中間タイプ(アベラント、クレイジー)、ストライプが途切れたもの(ブロークンストライプ)や斑紋タイプ(ブロッチ)などがいます。色彩のバリエーションは、コースタル(黒褐色/黄色)のストライプで明色部が広く黄色みが強いものをハイイエロー、黒色が少なければバナナ、デザートで白色の模様が太いものをハイホワイト、白色と黒色の割合が同じものを50/50(フィフティーフィフティー)と呼ばれます。リバースストライプは地色と縦縞が逆になっています。そして、メラニステイック、ハイポメラニスティック、アルビノ、ラベンダー、スノー、ゴーストなどの色素変異も知られています。代表的な品種を紹介します。

デザート・バンデット

横縞模様をバンデット、模様が白色のものをデザートと呼びます。

カリキンデザートバンデット

コースタル・バンデット

横縞模様のバンデットで、模様が黄色のものをコースタルと呼びます。

デザート・ストライプ

横縞模様をストライプ、模様が白色のものをデザートと呼びます。

コースタル・アベラント

黄色の縞模様もコースタルで、横縞のバンデットと縦縞のストライプの中間をアベラントあるいはクレイジーと呼ばれています。

ハイイエロー・バナナ

コースタルで黄色の領域が広いものをハイイエロー、さらに黒褐色が少ないものをバナナと呼びます。

コースタル・チョコレート

黒色色素が沈着した黒化(メラニステック)で、全身が黒褐色~茶褐色になります。基本的に模様があませんが、少し残ることがあります。

アルビノ・コースタル・ストライプ

白色のアルビノで、コースタルの黄色の斑紋が縦縞のストライプに入ってます。

50/50デザート

黒褐色と白色が同じ割合で配合されているものをフィフティーフィフティー(50/50)、あるいはB&W(ブラック&ホワイト)とも呼ばれています。

亜種

コモンキングスネークには多数の亜種があり、自然下でも亜種間の雑種個体が多く見られ、亜種の定義も流動的です。カリフォルニアキングスネーク以外の亜種も紹介します。

学名英名和名分布
Lampropeltis getula californiaeCalifornia kingsnakeカリフォルニアキングヘビアメリカ(アリゾナ州、オレゴン州、カリフォルニア州、ネバダ州、ユタ州)、メキシコ(バハ・カリフォルニア州、バハ・カリフォルニア・スル州)
L.g.floridanaFlorida kingsnakeフロリダキングヘビアメリカ(フロリダ州南部)
L.g.getulaEastern kingsnakeトウブキングヘビアメリカ東部
L.g.holbrookiSpeckled kingsnakeシモフリキングヘビアメリカ南部、メキシコ北部
L.g.nigraBlack kingsnakeカスミキングヘビアメリカ(ケンタッキー州、テネシー州)
L.g.nigritaMexican black kingsnakeメキシカンクロキングヘビアメリカ南部、メキシコ北部
L.g.splendidaDesert kingsnakeサバクキングヘビアメリカ(アリゾナ州、テキサス州)、メキシコ北部
表:コモンキングスネークの亜種

フロリダキングスネーク L.g.floridana

黒褐色や茶色の体色に黄色の斑紋が入り、体側がオレンジや赤に染まることがあります。

黒色色素が消失したアルビノもいます。

フロリダキングスネークアルビノ

トウブキングスネーク(イースタンキングスネーク) L.g.getula 

コモンキングスネークの最大亜種です。体色は黒色で、白色の細い帯模様が鎖状に入ります。

シモフリキングスネーク(スペックルドキングスネーク) L.g.holbrooki

体色は黒色で、和名の通り全身に白い霜降り状の斑点が入ります。

メキシコクロキングスネーク(カスミキングスネーク) L.g.niger 

体色は黒色で、白色の斑点が散在的に入ります。

クロキングスネーク(ブラックキングスネーク) L. g. nigrita

幼蛇は明色の横縞が入りますが、成体は全身が黒色になります。

サバクキングスネーク(デザートキングスネーク) L.g.splendida

頭部は黒色で、体側面に淡黄色や黄色の斑紋が入ります。

ブロッチキングスネーク(ゴイニーキングスネーク) L.g.goini

フロリダキングスネークとトウブキングスネークの亜種間の雑種です。個体により、フロリダキングスネークとトウブキングスネークの特徴が強く見られ、またそれらの中間型などがいます。

サウスフロリダキングスネーク(ブルックスキングスネーク) L.g.brooski 

フロリダキングスネークの南部の個体群は別種として扱われます。基本的にフロリダキングは体表の鱗の付け根が明色で全体的に黄色みが強いため、他亜種に比べバンド模様が不鮮明で明るい体色をしています。ブルックスタイプは、さらにバンドが不鮮明で、明るい体色にオレンジ色を帯びているのが特徴です。

ポイントはコレ

・カリフォルニア州周辺に生息
・カリフォルニアキングスネークはコモンキングスネークの一亜種
・名前が長いためカリキンと略されてる
・他のヘビまで食べるのでキングスネーク
・体色や模様により様々なバリエーションがいる
・分類的に近い近似種も多い

ナミヘビの飼育の解説はコチラ

繁殖

求愛は春、通常冬眠後に始まり、オスはメスを求めて闘争します(コンバットダンス)。他のオスと戦う際に優位性を主張するため、他のオスに乗り、かみ付いたりします。産卵は5~8月で、これは通常交尾の42~63日後です。産卵数は9(5~12)個で、40~65日後に孵化します〔Bartlett et al.2005〕。

ヘビのコンバットダンス(闘争踊り)の解説はコチラ

参考文献

  • Bartlett RD,Markel R.Kingsnakes and Milksnakes.Barron’s Educational Services.2005

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。