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日本代表のペットスネーク
日本固有種種で、体色が青色を帯びており、体が大きいことからアオダイショウ(青大将)と呼ばれています。
分類と生態
分類
有鱗目ナミヘビ科ナメラ属
学名:Elaphe climacophora
英名:Japanese rat snake
別名:青大将(アオダイショウ)
分布
日本(北海道、本州、四国、九州)
生態
環境:平地から山地にかけての森林、農地など、その生息域は多岐に渡ります。
活動
・半樹上生のヘビで、餌であるネズミの生息環境に対応し、人家周辺でよく見られるため、アオダイショウは人とともに暮らすヘビといわれています。
・昼行性で、活動する時間帯が一般的な人間の活動時間帯と重なることが多く、人を恐れることがありません。
・夜は岩の隙間や地面に空いた穴の中などで休んでいます。
・分布域北部に生息する個体は、冬眠して越冬します。
食性
・動物食で、小型哺乳類、鳥類やその卵、小型の爬虫類や両生類などを食べています。どちらかというと爬虫類や両生類よりは、哺乳類や鳥類を好みます。
・大型の獲物に対しては体を巻きつけて殺して、頭から呑みこみます。
寿命:10~15年
身体
全長100~200㎝
(全長の平均はオスが大きいですが、しかし、大型の個体はメスのほうが多いです〔富田2007〕)
※南西諸島を除く日本では最大のヘビで、大きい個体は2.5 m に達することもあります。
特徴
性質
一般的に温和な性格で、かみつくことは少ないです。基本的に攻撃的な性格ではありません。
身体
日本本土では最大のヘビで(南西諸島のサキシマスジオ、シュウダ、ハブに次ぐ大きさ)なので、青大将の大将の由来になったともいわれています。
体色は淡黄褐色~暗灰褐色で、背中は青色を帯びていますが、個体差が大きく、地域により、オリーブ色や灰色などをしています。腹板は白色を帯びています。
体列鱗数は23列もしくは25列、腹板は221~245枚です〔富田2007〕。
頭部は角張ってやや平べったいです〔小林2004〕。目の後ろに黒い縞筋が入ります。
瞳孔は円形で黒目をしています。
幼体と成体で模様が異なります。成体は背中に4本の不明瞭な黒褐色の縦縞が入りますが、縦縞が不明瞭であったり、無いこともあります。
幼体には、はしご状の横縞模様(銭形紋とも呼ばれる円形が連続した模様ともいわれています)があり、マムシと間違いやすいです。
下の写真がマムシの幼体です。毒ヘビのマムシと似た模様をすることで天敵からの補食から逃れているのかもしれません。成長につれて縦縞が現れます。
腹板の両端に小さいキール(側稜)があるため、このキールを引っ掻けて木の枝や幹、時には壁面を登ることができます〔小林2004〕。木に上るときは、体を木に巻きつけて上って行くのではなく、腹板のキールを引っかけて登るため、アオダイショウは木や壁を真っすぐ上に登ることができ、鳥の雛や卵を狙って、巣を襲うことが得意です。
食道あたる背骨の下に鎌状の突起がみられ、飲み込んだ卵の殻を割るのに使用され、その後殻だけ吐き出すこともできます。
危険を感じたり、威嚇の際には、尾を辺りに打ち付けて、独特の青臭い匂いを放ちます。シマヘビやジムグリも匂いますが、アオダイショウが最も臭いといわれています。この臭いの原因は尾の付け根部分にある肛門腺(臭腺)から出る褐色の液体です。アオダイショウの分泌液はかなり独特な臭いで、刺激臭というより、悪臭や異臭と言った方が適しています。
品種
地域によって色が異なりこともあり、青色、緑色、オリーブ色、黄色、灰色と様々です(地域変異)。しかし、年とともに黒化する傾向にあります。
地域変異として有名なのが、山口県岩国市周辺にいるアルビノが多く生息し、岩国の白蛇と呼ばれています。見た目も神々しいために信仰の対象とされ、この地域の白蛇の個体群は、1924年(大正13年)に国の天然記念物に指定されています。推定100年以上維持されています。
繁殖(CB)個体では、ノーマル系以外にアルビノ、ストライプ、パターンレスなどが流通しています。北海道地域群は青色が強く帯びているカラーなため、貴重な品種とされています。アルビノコーンスネークとアオダイショウのハイブリッド個体同士も作られています。
バターレス
背中の縦縞が消えて、均一な色をしています。オリーブ色をしている個体です。
エゾブルー
北海道個体群は、エゾ(蝦夷)ブルー、エゾ(蝦夷)グリーン、クナシリ(国後)ブルー、などと呼ばれ、青色が強く入った美しい色をしています。しかし、青色の程度は個体差はあり、青色や緑色と幅が広いです。
ポイントはコレ!
・日本固有種の最大級のヘビ
・青色系統の体色
・民家周辺にも出現
・昼行性
・動物食性
・腹板にキールがあり、木や壁も登れる
・岩国の白ヘビはアオダイショウの白色個体
・北海道の青緑個体はエゾブルー
参考文献
- 小林章.日本のヘビを楽しむ.第2回ヒバカリ (Amphiesma vibakari vibakari).クリーパー23.クリーパー社.東京:p24-28.2004
- ■富田京一.山渓ハンディ図鑑.10日本のカメ・トカゲ・ヘビ.山と渓谷社.p154-159.2007pp.154–159.2007