フトアゴヒゲトカゲの品種(トゲが無いものもいる)

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カラフルアゴヒゲトカゲ

流通しているフトアゴヒゲトカゲは、ほとんどがCB(繁殖)個体で、爬虫類の中でも品種改良が進んでいる種類の一つです。ノーマルは野生色で、基本的に背中は生息地の土の色に近い褐色の保護色ですが、茶色や赤褐色、黄褐色、灰褐色など、かなりの差異があり、お腹は白色を帯びています。ペットでは体色や体の特徴により、様々なバリエーションが作られています。

フトアゴヒゲトカゲのノーマル

レッド系 (スーパーレッド、コーラルレッド、ブラッドレッド、ルビーレッド、サンドファイヤー、オレンジ、サンバースト、タンジェリン)、イエロー系(イエロー、ゴールデン、シトラス、レモンファイヤー)、ホワイト系(アルビノ、ホワイト)などのカラーが作られています。

表:カラーの品種

カラー品種
レッド系スーパーレッド、コーラルレッド、ブラッドレッド、ルビーレッド、サンドファイヤー、オレンジ、サンバースト、タンジェリン
イエロー系イエロー、ゴールデン、シトラス、レモンファイヤー
ホワイト系イエロー、ゴールデン、シトラス、レモンファイヤー

黒色色素が減退したハイポメラニスティック(ハイポ)系、模様の無いパターンレス、鱗が透き通って目が黒色のトランスルーセント(トランス)などの色合いの品種もおり、カラーと組み合わせてカラーバリエーションが存在します。

表:色素や模様の品種

カラー品種
黒色色素減退ハイポメラニスティック(ハイポ)
模様欠損パターンレス
鱗が透明トランスルーセント(トランス)

体側のトゲ状の鱗が少なく、かつ背中の鱗が滑らかなレザーバック、レザーバック同士の交配により作りたされた棘が全く無くなり皮膚がより薄くて絹(シルク)のような感触のシルクバックなどがいます。

表:棘の有無の品種

カラー品種
体側のトゲ状の鱗が少なく、かつ背中の鱗が滑らかレザーバック
模様欠損パターンレス
棘が全く無くなり皮膚がより薄くいシルクバック

体が大きいジャーマンジャイアントなどの大型種もいます。

カラーバリエーション

ノーマル(野生色)

背部が褐色系で、茶色、黄褐色、灰褐色や赤褐色などの差があり、白色を帯びた楕円形あるいは帯状の模様が2列に並んでいます。

フトアゴヒゲトカゲの背中

腹部は白色を帯びており、薄く模様が入っています。近年はカラーのついた品種が多く、ノーマルは流通量が少なくなっています。

フトアゴヒゲトカゲのお腹

レッド系

赤色が強く発色しているカラー

フトアゴヒゲトカゲのレッド系

イエロー系

黄色が強く発色しているカラー

フトアゴヒゲトカゲのイエロー系

ホワイト系

白色が強く発色しているカラー

フトアゴヒゲトカゲのホワイト系

ハイポメラニスティック(ハイポ)

ハイポメラニスティックはハイポと略されて呼ばれ、黒色色素が減退して、淡い発色あるいは白色を帯びた色になります。

フトアゴヒゲトカゲのハイポ

爪が黒色でなく、透明あるいは黒い筋だけが残ることも特徴で、クリアネイルとも呼ばれています。

フトアゴヒゲトカゲのクリアネイル

トランスルーセント(トランス)

トランスルーセントはトランスと略されて呼ばれ、鱗が半透明で透き通り、地色が綺麗に発色します。

レッド・トランス

黒目であることも特徴で、とても可愛らしい表情が人気のようです。

フトアゴヒゲトカゲのトランス黒目

黒色色素が減退し(ハイポ)、トランスであるとハイポ・トランスと呼ばれます。下のコーラルレッド・ハイポ・トランスという品種は、コーラルレッド(明るい赤色)のレッド系で、ハイポでトランスだと淡い綺麗な赤色に発色します。

コーラルレッド・ハイポ・トランス

下の写真のイエロー・ハイポ・トランスという品種は、イエロー系で、色素減退のハイポと半透明なトランスが組み合わさり、黄色が綺麗に見えます。

イエロー・ハイポ・トランス

リューシスティック

白変種と呼ばれ、体色の白さが特徴的ですが、わずかに模様が残る場合が多いようです。アルビノのように黒色色素が欠損しているのではないため、目は黒く、爪はクリアネイルになります。

フトアゴヒゲトカゲのリューシスティックチュック

ほとんど模様も無く真っ白に近い個体ではパターンレスとも呼ばれています。

フトアゴヒゲトカゲのホワイトパターンレス

鱗によるバリエーション

レザーバック

背中と体の脇の棘が少なく、名前のとおり、なめし皮(レザー)のように滑らかになっています。トゲの鱗が少ないため、ワイルドさが和らいでいる印象です。下の写真のタンジェリン・トランス・レザーバックという品種は、明るいオレンジ(タンジェリン)のれっぢ系で、半透明のトランス、棘が少ないレザーバックをしています。

シルクバック

レザーバック同士で交配させ、棘が全く無くなり、皮膚が絹(シルク)のようなシルクバックと呼ばれる品種がいます。

フトアゴヒゲトカゲのシルクバック

これがポイント!

●流通しているフトアゴヒゲトカゲはCB(繁殖)個体
●ノーマルはレッド系、イエロー系、ホワイト系がいる
●色素が減退したハイポメラニスティック(ハイポ)
●模様の無いパターンレス
●鱗が透き通って目が黒色のトランスルーセント(トランス)
●体側のトゲ状の鱗が少なく、背中の鱗が滑らかなレザーバック
●皮膚が薄くシルクのような感触のシルクバック

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。