ヒョウモントカゲモドキのクロアカサックプラグ(尾の付け根のしこり)

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プラグ

ヒョウモントカゲモドキの尾の付けの腫瘤の大半は、クロアカサックプラグと思われます。腫瘍ではなく、ヘミペニスが収納されているクロアカサック内に、何らかの原因で恥垢が精液と共に排泄されずに硬結して硬いプラグ(栓子)になり、蓄積することで膨らん見えます。発情したオスに好発すると思われています。

原因

尾の腹側の対にあるクロアカサックの皮膚が膨らんで、触るとコリコリと蝕知できます。二次的に細菌感染が起こると炎症を生じ、徐々に大きく膨大し、皮膚は発赤や自壊してきます。膨らみは両側あるいは片側、または左右で大きさが異なることもあります。多くはトカゲの食欲や活動性には影響を与えません。

診断

特異的な症状から暫定的に診断されます。

治療

プラグの一部分が総排泄孔から露呈してる場合は、ピンセットなどを使って引っ張って除去します。指で押すとプラグが押し出されることもあります。

プラグが非開放、あるいはクロアカサックに癒着している場合は、全身麻酔下で切開して除去します。切開創は基本的に開放にして、消毒や抗生物質の投与を行います。

  

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。