インドホシガメとビルマホシガメの鑑別

目次 [表表示]

皆のアイドル「インドホシガメ」マニア大好き「ビルマホシガメ」

ホシガメは背甲の放射状の模様が星の様に見えることから、和名の「ホシ」、英名の「Star」の由来になっています。ホシガメにはインドホシガメとビルマホシガメがいますが、ペットではインドホシガメの流通量が圧倒的に多いです。ホシガメと聞いてまっさきに浮かぶのはインドホシガメだと思います。インドホシガメは過去に密輸によって大量に流通し、不当に安価に流通していた歴史がありました。幼体はピンポン玉のように丸くて可愛く、また特別に大きくならないことから、ビギナーが衝動買いをし、劣悪な状態で輸送されたためか、状態が悪く早死にさせるケースが多かったです。ビルマホシガメは乱獲のため生息数が少なくなり、2013年から年からワシントン条約附属書Ⅰに掲載され、商業的取引が禁止されました。インドホシガメも2019年11月からサイテスⅠになり、現在は飼育するためには、マイクロチップを入れて届けが必要になりました。両方のホシガメは今や希少なカメになってしまいました。

ホシガメの詳しい解説はコチラ!

鑑別点

顔の地色、甲羅の形状、腹甲の模様、甲板の条線の数などで鑑別します。

顔の地色

インドホシガメは顔の地色はクリームイエローで、黒色の模様がスポット状に入りますが、ビルマホシガメは顔はクリームイエローで、模様はありません。

インドホシガメ

甲羅の形状

インドホシガメは丸みを帯びた丸い甲羅でドーム状に盛り上がります。

ビルマホシガメは大きくなると甲羅が丸くならず、縦に細長くなります。

ビルマホシガメ

腹甲の模様

インドホシガメは腹甲にも条線の模様が入っています。

インドホシガメの腹甲

ビルマホシガメは腹甲には条線の模様は入らず、黒とクリームイエローの大きな模様となり、交互に三角形を並べたような模様に見えます。

甲板の条線の数

ホシガメは地色が黒褐色で各甲板には黄白色の星形ないし放射型の線が入ります。インドホシガメは1枚の甲板に7~12の線が入りますが、ビルマホシガメは6本の線になります。

ホシガメ

表:インドホシガメとビルマホシガメの鑑別

鑑別点インドホシガメビルマホシガメ
顔の地色はクリームイエローで、黒の模様が入るクリームイエローで、模様を欠く
甲羅の形状ドーム状の丸い甲羅縦に細長い甲羅
腹甲条線の模様がある条線の模様は入らず、黒とクリームイエローの大きな模様交互に三角形を並べた模様)
条線の数1枚の甲板に7~12本の線が入る1枚の甲板に6本の線が入る

カラーアトラス エキゾチックアニマル(爬虫類・両生類編)

爬虫類好きなら持っていないといけない本!

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。