ウサギの検疫

外国との行き来のための検査!

海外からウサギを連れてきたり(輸入)、また日本から海外へ連れて行く(輸出)時も検疫が必要になります。もしもウサギが怖い感染症をもっていた場合、病気がその国に広がってしまうために検疫が設けられました。昔、ウサギは毛皮や肉を目的とした家畜として飼われ、感染が広がると経済的被害が大きくなるからです。

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検疫の手続き

ウサギを日本から外国に連れていく場合は、必ず輸出検疫を受けることになっています。飛行機や船舶などの輸送方法にかかわらず、輸出検疫の内容は基本的に同じで、日本を出国する条件と相手の国へ入国する2つの条件をクリアーにしなければなりません。中国、台湾、フランス、チェコ共和国、デンマーク、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドからのウサギについては、それぞれの国と日本との間で家畜衛生条件が定められています。詳細はコチラ!

日本からの出国

国内での検疫

日本を出発する前に動物検疫所で輸出検査(係留検査)を受けます。そのためにも動物検疫所へ予め検査の申請書を提出します。係留検査は動物検疫所で行なわれ、何も異常がなければ1日で検査は終わります。しかし、ウサギの搬入日と搬出日は期間内に含まないために、検査を受けるのに2泊3日かかりますので注意して下さい。検査の結果、異常がなければ輸出検疫証明書が交付され、検疫は終了となります。しかし、相手の国によっては、独自に入国の条件を定めていることがありますので、大使館などに確認するとよいでしょう。係留検査は無料ですが、係留期間中のウサギの管理や食事は飼い主が行うか、業者へ依頼します。

相手国への入国

国によって入国する条件は異なります。輸出検疫証明書のみで問題ない国が多いですが、他に必要な検査や書類が追加されることもありますので国もあります。大使館など確認がしておいた方がよいでしょう。

海外からの入国

準備と検疫

外国から日本にウサギを連れてくる場合は、輸出国政府機関発行の健康証明書が必要です。検査証明書には検査の結果、野兎病兎出血病(ウサギウイルス性出血病)兎粘液腫という伝染病の恐れのない旨の記載がされた輸出国政府機関発行の健康証明書が必要となり、健康証明書のないウサギの輸入は認められません。検査証明書の添付があっても動物検疫所において、1日間の係留検査を受けなければなりません。係留期間は何も異常がなければ1日で検査は終わりますが、ウサギの搬入日と搬出日は期間内に含まないために、検査を受けるのに2泊3日かかりますので注意して下さい。係留中検査の結果、異常がみられなければ、到着日の翌々日(2日後)に輸入検疫証明書を交付し、検疫は終了となります。

輸入できる場所は決まっている

ウサギを輸入できる場所は、苫小牧港、京浜港、名古屋港、阪神港、関門港、博多港、鹿児島港、那覇港、新千歳空港、成田国際空港、東京国際空港(羽田)、中部国際空港、関西国際空港、北九州空港、福岡空港、鹿児島空港、那覇空港の17空海港のみです。

移動での注意点

飛行機や船にせよ、大きな音や振動などは、ウサギにはストレスです。各航空会社や船舶会社により、ウサギを客室に同伴可能あるいは貨物室での輸送など異なりますので、あらかじめ問いあわせて、対策をねりましょう。ウサギをいれるケージは大きさや素材などの条件がありますので、初めて入って落ち着かないということがないように、移動前から使用して慣れさせるとよいです。ケージの中には移動の時間を考えて、ペレットや牧草、給水器を入れられるか確認しましょう。食料を持ち込めない場合は、出発前にあげておかなければなりません。特に夏や冬は移動中に温度変化が生じる可能性がありますので、保冷や保温マットの使用が可能かも確認が必要です。

JCRA(ジャクラ)って?何なの?

ウサギを幸せに長生きさせたい方は、一般社団法人 日本コンパニオンラビット協会(JCRA:ジャクラ)に入会しましょう!

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この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。