ウサギのトリミング(被毛の管理)

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ウサギが嫌がってできない

ウサギは綺麗好きで、毛繕い(グルーミング)に多くの時間を費やし、多頭飼育では同居同士で行うこともあります。毛繕いは死毛やフケを取り除き、毛のもつれを予防し、皮膚の衛生を保つために重要な行動です。体全体の毛繕いを様々な姿勢をとりながら行い、顔や耳は前肢を使い、体や四肢はなめて綺麗にします。


ウサギ毛づくろい

長毛種のウサギにとって完全な毛繕いは難しく、口が届かない部分や病気で毛繕いができない状態に陥ったウサギでは、皮膚の状態が悪化します。切歯の不正咬合は毛繕いを減らし、肥満、関節炎背骨の変形(変形性脊椎症や脊椎湾曲症)などの身体の柔軟性を低下させる状態は、毛繕いの能率を低下させます。さらに細くて腰のない毛は、陰部や肛門周囲、後肢内側、腹部などでもつれやすく、糞や尿を吸収して、毛球が形成されます。毛玉ができたら、飼い主がブラシなどで毛を鋤いて除去する必要がでてきます。

ウサギ毛玉 ウサギ毛玉


ブラッシングをしながら、目や耳、足裏、肛門や陰部などの異常も確認でき、健康チェックをすることもできます。ノミ・ダニが発見できることもあります。ウサギを入浴させたり、シャンプーをすることは多くの問題を生じます。密で細く腰のない毛は濡れるともつれを生じ、濡れてもつれた被毛を乾燥させることも難しく、さらに入浴やシャンプーは過大なストレスとなります。ウサギの毛と皮膚の手入れは、汚れがひどい場合以外は、ブラッシングを中心に行うべきです。

濡れたウサギ ウサギのドライヤー

番外

ウサギの被毛を濡らさずに衛生的にできるドライシャンプーをすることは可能です。パウダー状のシャンプーなので、粉を被毛にかけてなでたり、ブラシで梳いてあげることで被毛をに行き渡、衛生的になります。

ドライシャンプーならコレ!

マルカン ミニマルサロン パウダーシャンプー

ヘッド部分にパウダーシャンプーが入る小動物用の小さなブラシはコレ!

マルカン ミニマルサロン パウダーブラシ

ブラシのヘッド部分を外してパウダーシャンプーを入れてご使用ください。使用後はブラシにからんだ被毛をとり除いてください。

多くのウサギにとって人にブラシをかけられることは好きではないので、嫌がって抵抗して逃げてしまいます。強引に押さえつけてケガをしたり、ブラシの歯があたって皮膚を傷つけるような事故も起こります。何度か繰り返して短い時間で行い、優しく声をかけながら、少しづつ時間が長くしてみましょう。

ウサギブラシ前 ウサギブラシ後

これがポイント!

・ウサギは綺麗好きで、自分で毛づくろいをよくする
・不正咬合や年老いたウサギは毛づくろいが上手くできない
・基本的にウサギは入浴やシャンプーはしない
・毛の管理は基本的にブラッシングを行う

ブラッシングでダニチェック

ブラッシングは皮膚に刺激を与え血行を良くする効果もあるので、毛なみが奇麗になる上、皮膚の状態も良くなります。ブラッシングを行う時に、よく目を凝らして毛や皮膚も観察して下さい。視力が良い人ならば、動いているダニを確認できます。ダニは光に当たると毛束の奥の暗い所に移動します。

ウサギのダニの詳細な解説はコチラ!

被毛でモサモサしていて分からないですが、ブラッシングで毛をかき分けてみると、皮疹や麟屑の有無も確認できます。皮膚炎や皮膚糸状菌の初期発見につながります。

ウサギの皮膚糸状菌の詳細な解説はコチラ!

選び方

長毛種や毛玉がある場合はコーム

コームとは櫛のことで、長い毛では毛の絡みをほぐして毛並みを整えたり、毛玉をとるのに役立ちます。

クシ  ウサギコーム

コームには目の粗い部分と細い部分が両方付いている商品が便利です。先に目の粗いほうでとかし、次に目の細かいほうでとかして絡まりをほぐします。特にお尻周りは長い毛が多く、毛玉も出来ていることが多いので、コームがとても役にたちます。

コーム

ドギーマンハヤシ ウサギのスリッカーブラシ

コームとスリッカーのセット!スリッカーかけた後にコームするので、この2つはセットでないといけないんです。

毛が取れやすくなるグルーミングスプレー

グルーミングスプレーを使うことで、ブラシですく時に古い毛が簡単にとれやすくなります。全身の毛に吹きかけて、マッサージをするようにもみこんで、毛の根本までなじむようにして下さい。

トーラス EM微生物被毛剤 小動物用 250mL

生きている善玉菌(EM)がふかふかな被毛に!生きている善玉菌が被毛に定着することでニオイや皮膚トラブルの元である腐敗菌を抑え、被毛がふかふかになります。体の小さな小動物にも安全な100%ナチュラル成分。

マッサージ効果もあるラバーブラシ

ウサギの毛は表面の固い毛であるオーバーコートと皮膚に近いふわふわの柔らかい毛であるアンダーコート下毛2種類からなります。オーバーコートはラバーブラシを使って背中を軽くとかすだけで、古い毛がブラシに張り付いて簡単にとれます。ラバーブラシはブラッシングとともに皮膚へのマッサージ効果がありますので、軽く撫でるようにとかすだけでも皮膚を健康に維持するのに効果的です。ラバーブラシはゴムあるいはシリコン素材で出来ているので、使用後は簡単に水洗いもできます。痛くないので嫌がらず、どんなウサギでも使えますので、必ず1つは持っていたほうが良いです。

ラバーブラシ

マルカン ミニマルサロン ラバーグルーマー

マッサージ効果期待するならコレ!獣医師が推奨するウサギにも使えるラバーブラシです。素材であるシリコンは有害物質を一切含まず、しなやかな材質なので動物の肌に優しく、ブラシをかけるとまるでマッサージ感覚になり、ウサギもうっとり・・

たくさん抜けるウサギにはスリッカーブラシ

スリッカーブラシは細い針金で出来たブラシで、主に皮膚に近くにある、ふわふわとした柔らかい毛であるアンダーコートをとるのに役立ちます。

スリッカーブラシ

ウサギが痛がらないよう少し深くスリッカーブラシを入れて、ゆっくりと丁寧にとかしてとりのぞいてあげて下さい。ブラシの針金にしっかりと抜け毛がひっかかるので、換毛期にはあっという間に、ごっそりと毛が抜けます。

ウサギブラシ

スリッカーブラシの歯先が肌に当たると痛いので、なるべく肌に当たらないようにして下さい。針金の端がゴムなどで保護されている商品が理想です。

スタンダートスリッカーブラシならコレ!

マルカン ミニマルサロン スリッカーブラシ

シンプル安全ゴッソリブラシ!小動物用のスリッカーブラシで、針金に先玉が付いているので肌を傷つけないようになっているので、安心して皮膚に近いところまでブラシをいれることができます。アンダーコートまで絡んだ毛玉などを、しっかりほぐして取り除けますし、抜け毛や古い毛を細かく除去してくれます。ブラシの柄の部分がとても持ちやすいと評判です。

進化系ならコレ!

マルカン ミニマルサロン イージースリッカー 

スゲー!押すだけで抜け毛が取れる!

ピカピカになる豚毛ブラシ

豚の毛でできたブラシです。豚毛は適度な水分や油分が含まれているため、静電気が起こりにくく、そしてグルーミングの仕上げの時に毛の外側をなでるように優しくブラシをかけるだけでも、艶々として毛つやがでます。飼い主にもとても満足感がでてきます。

マルカン ミニマルサロン メイクアップブラシ

テカテカにするブラシ! 仕上げ用ブラシで、静電気の起こりにくい、天然の豚毛を使用、固さのの違う2種類の毛を使っており、奥まで入り込むための固目の毛とツヤ出し効果のある柔らか目の毛をセットにしたブラシです。

ブラシ嫌いなウサギにはブラシ付き手袋

ウサギを撫でながらグルーミングができるブラシのついた手袋で、手のひらの部分にラバーブラシのようになっています。グルーミングが苦手なウサギでも、スキンシップの一環としてなでなですることで、グルーミングもついでにできます。他のブラシと比べて、ブラシ部分の面積が広いのが特徴です。

ファンタジーワールド グルーミンググローブ

ウサギが怖がらないブラシ付き手袋!誰の手でもあうフリーサイズで、柔らかいシリコン製の丸みのある先端のラバーブラシにようになっています。ウサギが怖がらないような手を妄想する形状でないので安心して使え、グルーミングとして古い毛を取り除くだけでなく、肌へのマッサージ効果もあります。手袋の生地も柔らかくて通気性もあるので、超時間の使用も可能ですし、耐久性もあり、洗濯も可能なので、衛生面も心配いりません。

これがポイント!

・長毛種や毛玉がある場合はコームで大きなほぐれをとる
・ラバーブラシはウサギが嫌がらないマッサージ的なブラシ
・一度にたくさん抜けるスリッカーブラシはウサギが嫌がる
・ピカピカになる豚毛ブラシは最後の仕上げ用
・ブラシ嫌いなウサギにはブラシ付き手袋でやらないよりはやった方がよい程度

トリミングを勉強したいなら下記のオンデマンドでの動画配信セミナーを聴講されると良いです。

JCRA(ジャクラ)って?何なの?

ウサギを幸せに長生きさせたい方は、一般社団法人 日本コンパニオンラビット協会(JCRA:ジャクラ)に入会しましょう!

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まとめ

ブラッシングの順番は、コーム→スリッカーブラシ→豚毛ブラシで仕上げになります。ブラッシングを嫌がらる場合は、ラバーブラシやグローブを使って遊びながら体を撫でる感じで毛をすいてあげて下さい。

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。