秘策:ウサギのダイエット(餌と運動)

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可愛いとつい・・・

ウサギが可愛い顔でおねだりをするので、ついおやつを与えてしまいますね?あくまでも主食は牧草、補食はペレットという粗食をベースにし、コミュニケーション程度におやつなを与えるというのが理想なのは分かっていますよね?

体重減量の必要性

自分で飼っているウサギは本当に太っているのでしょうか?ちょうど良いくらいなのでしょうか?

ウサギの栄養状態評価の詳細な解説はコチラ!

ウサギの肥満の評価は難しいので、どうしても分からない時はウサギ専門店や動物病院でプロに判断してもらって下さい。肥満になると思わぬ病気が潜んでいる場合があります。自宅で体重計を用意して、1週間おき位に体重を測定して、記録をつけるのも良いと思います。

ウサギ体重測定

最近のウサギの70%が肥満と判断されています。しっかりとウサギの体型や体重を確認しましょう。

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抱えたペットの体重がはかれるペットモード付き!自宅でも簡単にペットの体重がはかれ、薄さ27mmだから乗り降りしやすく、A4サイズで場所をとりません。

肥満になる要因

肥満になる要因は、飼い主側の問題とウサギ側の問題の2つに分けられます。

飼い主側の問題

  • ペレットを与える量が適当で、計っていない
  • おやつを多く与え、おねだりに厳しくなれない
  • ケージからウサギを出す時間が少ない
  • ウサギが好きなおもちゃを知らない
  • ウサギの体重を知らない

ウサギ側の問題

  • 食いじがはっている
  • 牧草を食べない
  • おやつが大好きで他のエサを食べない
  • 避妊・去勢手術をした

肥満理論

食べる餌の量(摂取エネルギー量)が、運動して消費する量(消費エネルギー量)より多くなっているからです。消費エネルギーとは、生きている時の代謝で使われるエネルギー以外に、日常の活動や運動などで使われるエネルギーも含まれています。食べるエサの量が多くなると摂取エネルギーが増えてしまいます。野生のウサギと異なり、ペットのウサギでは24時間いつでも餌が食べれることが最大の問題です。それに加えて飼い主がカロリーが高いペレットやおやつを多く与えれば、いやでも肥満になります。消費エネルギーが増えないのも、野生のウサギと異なり、餌を探して移動したり、天敵から逃げ出すようなこともないです。ケージの中にいる時間が長くなると、必然的に運動量が足りなくなります。野生のウサギは常に天敵に襲われる危険にさらされ、常に移動して動いています。餌も十分な量を得ることができず、常に草や樹皮などのカロリーの低いものを食べています。

ウサギ

避妊・去勢手術をすると、生殖に対するエネルギー消費が減り、性欲も薄れて運動量が減るために太りやすくなります。避妊・去勢手術を行ったウサギは餌の量を調節しないといけません。

減量方法

肥満を解消するためには、日常生活を見直し、肥満の原因を探して、それを取り除く正しい生活習慣を身につけましょう。急激なダイエットは体に負担がかかりますので、ゆっくり行って下さい。ずばりダイエットのコツは、餌と運動の管理ならびにストレスをためないことが成功の秘訣です。

  • 餌の管理
  • 運動の管理
  • ストレスをためない

餌の管理

採食量を減らし、栄養のバランスを考えてカロリーが低い食餌メニューに変えることです。

ペレットの採食量を減らす

ウサギは頻回に少しずつ餌を食べる動物なので、人のダイエットみたく餌を抜くことはしないで下さい。カロリーが高いペレットを多く与えているケースが多く、正確な与える量を知る所から始めましょう。

ウサギに与えるペレットの適量を知っていますか?ペレットの袋にはウサギの体重の3~5%あるいは、3~7%の量を1日量として、朝夕に分けて与えると記載されているものが多いです。つまり、体重1kgあたり30~70gが与える適切な量になります。しかし、30~70gというのはかなりの幅があります。それはなぜでしょうか?多くのカロリーを必要とする幼体や妊娠個体であったり、避妊や去勢手術で性行動や繁殖しないウサギは必要とするカロリーが低いため、給餌量にも幅がでてきます。ペレットの商品のカロリー(エネルギー)によっても、給餌量が異なるは同然のことです。自分のウサギにどれだけのカロリーが1日あたり必要なのかご存知でしょうか?これが分からないと、カロリーコントロールは難しいのです。

正確なペレット量を計算

①ウサギの体重を計り、ペレットの袋に記載されているエネルギーの数値を確認

②下記の基礎代謝計算をクリックして、ウサギの体重やウサギの条件(幼体?避妊去勢手術してるか?など)を書き込む

③ペレットのエネルギー(カロリー)の数値も入れる

④自動的に与えるペレットの量が出てくる

ウサギ基礎代謝量計算はコチラ!

ウサコちゃんの例

1.5kgの避妊手術していないウサコちゃんだと、計算すると、生きていくには毎日171kcalが必要になります。

ウサギ

イースターのバニーセレクションプロを食べています。袋の裏を見ると代謝エネルギーが245kcal/100gと記載されています。

計算式で与えるペレットの量は約70gと算出されます。

ウサギのペレットの選び方とお薦め商品 !

餌はペレットだけでなく、多くのウサギは牧草や野菜なども食べています。ペレットの与える量ばかり考えがちですか、食べるペレット、牧草、野菜など全ての餌のカロリーを考えないといけません。

与えるペレット量がでたら、その量はペレットだけで生活する場合になります。牧草や野菜も与えているならば、ペレットの量が時間をかけながら50%に減らしていきます。1~3ヵ月を目安に行ってください。ウサギでは食糞もしてカロリー摂取をしているため、実際のカロリー計算は複雑で、摂取するペレットを50%にすることで、体重も半分になることはありません。

ペレットはまずは半分!

ウサコちゃんだとペレット171kcalを半分の85kcalに減らします!つまりペレットは35gです!

牧草を主食にする

牧草はカロリーが低いので、多く食べることで必然的に痩せるはずです。牧草は歯を咬耗させて、ゆっくり食べるので満腹感も得られます。牧草はイネ科とマメ科の牧草がありますが、カロリーはあまり変わりませんので、好きな牧草で構いません。


牧草こんなに食えないよ! 

ウサコちゃんの場合、例えチモシーで85kcalを補うとすると、こんな量になります。食べきれませんので、牧草を主食にすると必ず痩せるはずです。


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与える野菜も考える!

野菜は水分が多いので、満腹感が得られますが、反対に軟便・下痢をすることもあるので注意して下さい。野菜は種類によってカロリーが異なりますので、カロリーが低いものを選びましょう。

野菜選びにもコツがある!

ウサコちゃんはニンジンが好きです。しかし、ニンジンは野菜の中でもカロリーが高いので注意してください。ニンジン(中)2.5本で85kcal同等のカロリーですが、セロリだなんと9株くらいの量になります。

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バランスも重要

ダイエット時は栄養のバランスを考えないといけません。牧草がカロリーが低いといっても、同じ牧草をずっと与える与えると栄養が偏りますので、バラエティに富んだメニューを考えて下さい。野生のウサギは季節によって食べる植物が異なりますので、牧草も数種類のものを与え、葉や茎だけでなく根や樹皮まで食べることも考えましょう。果物が実る時期には甘い果実も食べることがあってもおかしくないです。ペットではバラエティに富んだ幅広い餌を与えることは難しいため、ペレットや野菜も含めて与えます。しかし、摂取量を減らすことで精神的にもイライラするので、好物やおやつなどは少量与えることもよいのかもしれません。

運動の管理

運動をすることでエネルギーとして脂肪が燃焼します。運動は長い時間続けないと脂肪が消費しないと思われているようですが、短い時間でも運動の効果はあります。チョコチョコ動くことでも構いません。部屋で遊ばせながら運動する(うさんぽ)以外に、玩具を与えて動くことでも効果があります。

遊ばせて運動

うさんぽも、玩具遊びでも、習慣づけることが何よりで、毎日遊ばせる時間を決めてあげましょう。その中で何が一番効果的なのか考えてみてください。運動の効果が現れるまでには、ある程度時間がかかります。「なかなか体重が減らない」と結果ばかりを求めないでください。

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ストレスをためない

ダイエットを始めるとさらにストレスはたまりますので、ストレスを上手にコントロールすることが大切になります。イライラした時は脳内ホルモンのセロトニンという物質が低下します。セロトニンは不安を鎮め、落ち着かせてくれる働きがあります。セロトニンの濃度は甘いおやつを食べることで上昇しますので、ストレスを感じた人は甘いものが食べたくなりますが、これはセロトニンの濃度を上昇させて、心を落ち着かせてストレスを軽減しようとしているです。ダイエットはストレスがつきものです。イライラしないように運動させて、その後に主食の牧草をしっかりと食べさせる。ストレス解消は運動やおもちゃ遊びが理想ですが、例えおやつでも甘過ぎず、カロリーが低いものであれば、ご褒美に必要かもしれませんね。

番外編:ダイエットサプリメント
ダイエットはウサギにとって辛いものです。ストレスもかかるし、体調を崩しら意味がありません。ビタミンが消耗しますので、これらを予防するためにサプリメントを与えることがあります。更に痩せる効果のあるサプリメントを併用することで、ダイエット効果を期待しましょう。ダイエット中に我慢しているので、少しはご褒美をあげたいって気持ちもありますよね?以下の3つのサプリメントは、少し甘味があるので、多くのダイエット中のウサギは目の色変えて欲しがること間違いなし!

脂肪吸収を抑えるデキストリン

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これがポイント!

・野生のウサギは太る暇がない
・まずは体重計でウサギの体重を測る
・栄養評価をする
・肥満の原因は飼い主か、ウサギか考える
・運動させる
・カロリー計算をする
・ダイエットによるストレスを与えない

JCRA(ジャクラ)って?ウサギ検定って何なの?

ウサギを幸せに長生きさせたい方は、一般社団法人 日本コンパニオンラビット協会(JCRA:ジャクラ)に入会して、ウサギ検定を受けましょう!

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まとめ

ウサギのダイエットは神経質にならないで、ウサギが部屋で遊んでいるのを楽しく眺めてあげましょう。ウサギも体を動かすことの楽しさや心地よさを感じてくれると思います。飼い主さんがイライラすると、その感情がウサギに伝わります。ダイエットを続けることにより、体は確実に変化していきますので、安心して下さい。

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。