ウサギの寿命と年齢換算(人では何歳?)

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ウサギの寿命

ペットのウサギの寿命は昔は、飼い方も悪くて5~6歳でしたが、近年は餌の向上や獣医医療の進歩もあり、寿命は7~8歳に伸びてきました。10歳を超すウサギも珍しくはありません。


動物の長寿記録のサイトからウサギのデータを除いてみました。

種類学名野生飼育下参考文献
カンジキウサギLepus americanus5年Godin1977
オグロジャックウサギLepus californicus6.8年Egoscue et al.1970
ヤブノウサギLepus europaeus12年Grzimek1990
7.4年Jones1982
ユキウサギLepus timidusa9年Grzimek1990
アナウサギ(ペットのウサギ)Oryctolagus cuniculus10年Grzimek1990
9年Grzimek1975
18年Bobick et al.1993
トウブワタオウサギSylvilagus floridanus5年9年Schwartz et al.1959
表:ウサギの寿命


上記の表の中のアナウサギがペットのウサギです。ギネス記録の長寿ウサギでもオーストラリアのフロッピー(Flopsy)という野生で捕獲されたウサギが、1964年8月6日に捕まえられ、18歳で亡くなった記録が最長になります。飼育されているウサギとは異なり、もともとは野生のウサギだったそうです。18歳10ヵ月は、人間の年齢でいうとおおよそ120~130歳です!

品種によって寿命が異なる

ウサギの平均寿命はエサや生活様式などの影響もありますが、個体差があります。また、遺伝による生まれつき弱いウサギもいます。しかし、一部では品種によっても寿命の差があるとも言われています。ドワーフラビットと呼ばれている小型種のウサギ(ネザーランドドワーフなど)は、大型種(ニュージーランド、フレミッシュジャイアントなど)よりも長いと言われています。また、所以は不明ですがレッキスも短いという記載が多いです。


長毛種のウサギは胃のうっ滞・毛球症になりやすくなり、長毛のために体温調節が苦手で熱中症になるケースが多くいます。耳が垂れているロップ系のウサギは耳のお手入れが必要なので、耳の病気(中耳炎・内耳炎)になりやすかったりします。これはあくまでも傾向のひとつで、実際に寿命の差が出ているわけではありません。

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人に例えると何歳

ウサギの年齢を人に換算すると以下の表のようになります。人と比べるとはるかに短命に終わるウサギの一生はとてつもないスピードです。ウサギと人の年齢の推移を見てみましょう。

ウサギの年齢人の年齢
1ヵ月2歳
2ヵ月5歳
3ヵ月7歳
6ヵ月13歳
9ヵ月17歳
1年20歳
1年6ヵ月24歳
2年28歳
2年6ヵ月32歳
3年36歳
3年6ヵ月40歳
4年44歳
4年6ヵ月48歳
5年52歳
5年6ヵ月56歳
6年60歳
6年6ヵ月64歳
7年68歳
7年6ヵ月72歳
8年76歳
8年6ヵ月80歳
9年84歳
9年6ヵ月87歳
10年92歳
10年6ヵ月96歳
表:ウサギの年齢換算表

生後3~6ヵ月齢は小中学生

人で言うところの小学校や中学生です。体も成長段階ですが、性格も定まってくる時期ですので、ウサギへの対応やしつけがとても大切です。性格が温和になる、しつけをして抱っこやブラッシングができるウサギになるかは、この時期で決まってしまいます。人と同じなんですね・・・思春期の教育は人も動物も・・・


生後1年で成人式

1年がたつと、立派な大人です。大型種以外では体の成長はストップし、ここまでくると性格やしつけやなどがある程度定まってきます。繁殖を希望するならば、体力的に1~4歳までが理想でしょう。

3年で中年真っ最中

まさに中年で、若々しいウサギもいれば、老けたウサギもいます。若い時と違って、長生きさせるために中年の時から、エサや生活様式を見直しておくべきでしょう。


5年からシニア

5年以上になるとシニア期です。若い時にやんちゃだったウサギも性格がおとなしくなったり、急に甘えん坊になったりします。餌もシニア向けのペレットに変えて下さい。


6年で還暦

6年で人の年齢でいう還暦を超え、のんびりと過ごしたり、寝ている時間が長くなるウサギが多くなります。見た目ではあまり老けた感じがしないのがウサギですが、毛繕いをあまりしなくななるので、毛並みも悪くなっていきます。骨も薄くなるのでケージの環境を見直して、骨折などのケガをしないように工夫しましょう。病気も多いので健康診断を受けて、長生きさせるための飼育指導を受けましょう。


8歳以上になると老化

8歳以上になると、かなり体の老化が進む時期です。あまり部屋んぽもせず、目も白内障になっているウサギも多いです。老化に合わせた生活環境と生活リズムをつかんであげて下さい。


目指せ10歳

ここまでくると、よろけたり、おもらしをする老ウサギが増えてきます。色々と介護対策を練らないいけなくなります。毎日、よくウサギを観察して、少しの異常も見逃さないで下さい。長寿記録を目指しましょう。


ウサギの老化対策の詳細な解説はコチラ!

ポイントはコレ!

・ウサギの寿命は7~8歳
・10歳以上も珍しくなくなった
・ギネス記録は18歳10ヵ月
・品種による相違はあまりない
・年代によってウサギへの対応を考える

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参考文献

  • Godin AJ.Wild Mammals of New England.John Hopkins University Press.Baltimore.1977
  • Egoscue HJ,Bittmenn JG,Petrovich JA.Some fecundity and longevity records for captive small mammals.Journal of Mammology51:622-623.1970
  • Grzimek B.ed.Grzimek’s Animal Life Encyclopedia.Mammals I-IV.ed.Series.Grzimek B.Vol.I-IV. McGraw-Hill Publishing Company.New York.1990
  • Grzimek NCB ed.Grzimek’s Animal Life Encyclopedia ed. Series.Grzimek NCB.Vol1-5,Mammals. Van Nostrand Reinhold Co.New York NY.1975
  • Jones ML.Longevity of captive mammals.Zoological Garten N.F.Jena52:113-28.1982
  • Bobick JE,Peffer M eds.Science and Technology DeskReference.ed.Series.Bobick JE,Peffer M. Gale Research Inc.Washington DC.1993
  • Schwartz CW,Schwartz ER.The Wild Animals of Missouri:University Missouri Press.1959

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。