聖地はヤトミ
1865年頃、愛知県弥富市に嫁いだ八重という女性が、奉公先の名古屋の武家から桜ブンチョウを貰い受けたことが、弥冨市での文鳥生産の始まりと言われています。その後、農家の副業としてブンチョウの生産が広まり、明治期には1000羽を超えて飼育する農家も出てきました。弥富での繁殖は昭和50年代に国内シェアの90%を担うまでの最盛期を迎えましたが、近年飼育数は減少を続け、台湾産のブンチョウに押されています。
現在は白ブンチョウを使用して町おこしをしています。
桜と白だけではない
並ブンチョウ(ノーマルブンチョウ)と桜ブンチョウが混同され、明確になっていません。並ブンチョウは原産地から輸入された野生種のみを指すともいわれています。しかし、現在は輸入がないため、本邦では並ブンチョウは存在しないという考えもあります。
並ブンチョウ
野生のブンチョウ、または模様が野生に近いものを 並ブンチョウと呼ばれています。現在、文鳥はワシントン条約付属書Ⅱ掲載種で、日本で原種に近いカラーのものが昔輸入されたものが繁殖されています。桜ブンチョウにも並ブンチョウに似た模様が多いため、混同されています。
白ブンチョウ
全身が白色で、クチバシが赤色であるめ、アイリングも映えて美しいカラーです。白ブンチョウは、明治時代初期に弥富において、突然変異から羽根の白い文鳥が生まれ、これを改良して固定されました。白ブンチョウは桜ブンチョウに対して優性とされていますが、桜ブンチョウ同士の交配から白ブンチョウが生まれることもあり、羽色の遺伝についてははっきりしない点が多いです。日本でつくりだされたことからJapanese Rice Birdとも呼ばれています。
桜ブンチョウ
桜ブンチョウは並ブンチョウと白ブンチョウの交雑種で、お腹の白色から淡いピンク色の羽色が、桜の花びらのようにまだら模様になっています。
桜ブンチョウと白ブンチョウの交雑種もみられ、模様にバリエーションがあるのが特徴です。
一羽ずつまだら模様は違うため、好みのカラーが選べます。
シナモンブンチョウ
シナモンブンチョウはノーマルの模様でカラーが茶色をしています。フォーンブンチョウとも呼ばれ、黒色色素がなくなっているため、シナモン色をしています。目は赤目をしています。
シルバーブンチョウ
ノーマルの模様でカラーが全体的に薄くなり、銀灰色となったカラーがシルバーブンチョウです。カラーの濃さは差があって色幅が大きいです。薄いものをライトシルバー、濃いものをダークシルバーと呼ばれます。
クリームブンチョウ
淡いベージュのようなクリーム色をしています。一般的に頭や尾羽、顔は白色で、羽の色がクリームやベージュ、ホワイトに分かれています。目は赤目をしています。クリーム文鳥はイギリスで作られた品種で、1990年頃に品種として固定されました。
頬黒ブンチョウ
頬が黒色で、頭全体が黒いブンチョウを指し、桜ブンチョウに稀に生まれます。換羽により、通常の桜ブンチョウに変わってしまうことも多いです。こらは品種名ではなく、外見から来た呼び名になります。
ブンジュウチョウ
ブンチョウとジュウシマツの交雑種をブンジュウチョウと呼び、羽色もどっち付かずです。 ブンチョウは気性が荒く、巣引きが難しいために、温和な性格のジュウシマツとの交雑が試みられてきましたが、ブンジュウチョウは生殖能力を持たないことが多いため、種としての固定には至っていません。