チャイニーズハムスターってどんな動物(知らないといけない生態と特徴) 

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見た目はネズミ

チャイニーズハムスターは、他のハムスターと比べて細くて長い体と長い尾が特徴で、ネズミのような外貌をしています。

自然発生の糖尿病がチャイニーズハムスターで発見され〔Meier et al.1959〕、糖尿病の同系交配は1963年に始まり、現在糖尿の発生率が85%を超える近交系が作成されました。

【病気】ハムスターの糖尿病の解説はコチラ!

分類

げっ歯目キヌゲネズミ亜科キヌゲネズミ属
学名Cricetulus griseus※
英名:Chinese hamster,Striped-back hamster,Grey hamster
別名:モンゴルキヌゲネズミ、モンゴルハムスター

※最近の分類では、チャイニーズハムスターはバラブキネゲネズミ(Cricetulus barabensis)と同一されていますが、ペットではチャイニーズハムスター(Cricetulus griseus)として流通しています

分布

中国北西部、内モンゴル自治区

チャイニーズハムスター分布地図

歴史

チャイニーズハムスターは、 1773年にドイツの動物学者であるPeter Simon PallasによってCricetulus barabensisとして初めて認識されましたが、長い間、Cricetulus griseusとCricetulus barabensis を別種と考える説や、亜種扱いなどもされていましたが、現在はバラブキネゲネズミ(Cricetulus barabensis)と統一されています。棲息地では6亜種が認識され、C.b.humatusは黒竜江省・吉林省・内モンゴル自治区、C.b.griseusは遼寧省・内モンゴル自治区・河北省・北京・天津・山東省・河南省・山西省、C.b.manchuricusは黒竜江省東部、C.b.obscurusは内モンゴル自治区・寧夏回族自治区・甘粛省東部・陝西省北部・山西省、C.b.pseudogriseusおよびC.b.xinganensisは黒竜江省北部・内モンゴル北東部で見られます〔Andrew et al.2010〕。

身体

頭胴長:オス11.0〜12.0cm、メス9.0〜11.0cm
尾長:2.8〜3.1cm
体重:オス35〜40g、メス30〜35g
寿命:2~3年

性格

性格は人懐っこくて、とても扱いやすい種類です。

特徴

冬季の 2~3月に冬眠をします。繁殖は3~4月に起こり、稀に秋にも繁殖します〔Andrew et al.2010〕。

尾は他のハムスターと比べて長く、頭胴長の約30%の長さです〔Andrew et al.2010〕。長い尾のためにバランス感覚がよく、高いところにも上れます。

陰嚢

成熟したオスの精巣は発達し、陰嚢がとても大きくなります。

ハムスターの特徴の詳細な解説(総論)はコチラ!

品種

チャイニーズハムスターは毛色によって品種が分けられていますが、あまり品種の数は多くはありません。

ノーマル

背中は灰色〜茶色で、1本のストライプがみられ、腹側は白色を帯びています。

シルバー

ノーマルよりも体色が薄く、白色を帯びた灰色の毛色です。

ホワイト

全身が白色で、目は黒目です。

パイド

パイドは白色の斑模様が入ったもので、様々な毛色が見られます。

これがポイント!

・正式和名はモンゴルキヌゲネズミ
・体が細長く、尾も他のハムスターよりも長い
・オスは精巣は大きく陰嚢が目立つ
・品種は少ない

ほっこり漫画ですが、とてもハムスターの特徴を表しています

ハムスターの研究レポート1.白泉社文庫

参考文献

  • Andrew TS et al.A Guide to the Mammals of China.Princeton University Press:p242–243.2010
  • Meier H,Yerganian GA.Spontaneous diabetes mellitus in Chinese hamsters {Crketulus griseus).I.Pathological findings.Proc.Soc.Exper.Biol.Med100:810-815.1959

この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。