モルモットは1年中繁殖ができる周年繁殖動物ですが、繁殖に適しているのは過ごしやすい春と秋です。繁殖させることは意外と簡単ですが、生まれたモルモットのことをしっかりと考えて下さい。自分で飼えるのか?もし飼えないのであれば里親を探さなければなりません。モルモットは7~8ヵ月齢以降に最初の交配を行うと恥骨分離が起こりにくくなり、胎子が通過するのに必要な2~3cmの開口が不可になるため、難産になりやすくなります。メスの最初の交尾は6ヵ月齢以内が好ましいでしょう〔Harkness et al.1995〕。しかしながら、実際に難産になることは少なく、メスの繁殖可能年齢は、4~5歳までです。
性成熟
性成熟についての多くの報告をまとめると、メスでは21~56日齢、オス28~84日齢であるす〔Weir 1974,Richardson 2000,Carpenter et al.1996〕。しかし、しっかりとした体でないと繁殖が上手くいかないので、3ヵ月齢以降になってから繁殖に使うとよい、あるいはメスでの体重が 450~ 600gにまで成長した方が交尾が最も成功すると言われています〔Ediger 1976〕。
発情
発情したメスは15~17日周期で、1~1.5日の発情期を迎えます〔Manning et al.1984〕。発情すると、外陰部は赤色を帯びてわずかに腫大しますが、分かりにくいです。なお、メスの膣は発情期にだけ開口し、それ以外の時他期は膣閉塞膜により閉鎖しています〔Carpenter et al.1996〕。発情は24~48時間持続しますが、オスを許容するのは6~11時間程度です〔Hillyer et al 1997,Richardson 2000〕。
交配
交配はお見合いからです。本来は1頭のオスに対して1~10頭のメスを同居させてハーレム状態にするとよいのです〔Harkness et al.1995,Guide for the Care and Use of laboratory Animal 1985〕。しかし、オスとメス1頭ずつで行う場合は、雌雄での相性の選択が難しく、相性が悪ければすぐにケンカが始まります。
まずは、それぞれのケージを並べて、お互いの匂いをかがせて存在を意識させます。発情したオスは、メスのモルモットを追いかけまわし、臭いをかぐ動作を示し、後肢や臀部を振りながら(ルンバ :Rumba)、「グルルルル」「プルルルル」と喉の奥から低い特徴的な声を出します。メスの発情行動は特徴的で、発情期以外はオスを許容せず、後肢で蹴りとばし、メスはオスを気にいると、ロードシス(Lordosis)と呼ばれる尾を上げた姿勢が見られます。これは交尾を許容しているのです。交尾はオスがメスの背中に回ってペニスを挿入し、腰を動かして射精します。交尾が成功しているかの確認は、メスの陰部に膣栓がついているか否かで判定できます 。交尾後24~48時間で膣から自然に落ちてなくなります〔Flecknell 2002〕。なお、モルモットのメスは発情期以外は膣口を覆う膜が形成され(膣閉鎖膜)、発情前日に膜が破れて開口します〔Carpenter et al.1996〕膣栓が落ちた後は、分娩期に入るまでは膣口が膣閉塞膜により再び閉鎖された状態になります。交尾をしない場合は別の日に再び行って下さい。相性が悪い場合はペアの組み合わせを変えます。
妊娠・出産
妊娠期間は63~72日と、他のげっ歯類と比較して長いです〔Kaiser et al.1986〕。お腹の中で子を大きく育ててから出産するというシステムをとっているのです。妊娠診断は動物病院で、触診、X線検査や超音波検査で行います。
妊娠した子の数によりますが、後半になるとお腹が大きくなってきます。この時期に巣箱の用意をします。妊娠中のモルモットには栄養価の高い餌が必要になりますので、ペレットは繁殖期用のものに変えるとよいでしょう。産子数は、1~7頭です〔Kaiser et al.1986〕。
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