フェレットのファーム~どこ産まれ?

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ファームとは繁殖場のこと

フェレットは野生ではいない動物なので、世界中の繁殖場(ファーム)で繁殖されて、ペットとして流通しています。

マーシャル(アメリカ ニューヨーク)

マーシャルは日本に初めてフェレットを輸入したことで有名で、アメリカではペット用の多くがマーシャルファームといわれています。体は比較的細めの小柄で(近年は大柄も流通しているようです)、鼻先は細く、精悍な印象を受けます。噛み癖の少ない、大人しい性格をしています。耳には小さい丸い入れ墨が2つ入っており、マイクロチップが背中に挿入されています。また、尾が短い個体をボブテイル(Bob Tail)と呼ばれ、高額で取引きがされています。

フェレット証明書
フェレット入れ墨

 フェレットマイクロチップレントゲン写真 フェレットボブテイル

マウンテンビュー(アメリカ ニューヨーク)

体はやや小柄で細長い体型をしていますが、骨太でしっかりとし、顔が丸いです。性格も噛み癖も比較的少なく、大人しいですが、やや人見知りの面もあります。幼体から多くの人と接して馴らしておくとよいでしょう。大きさ、性格、カラーともにマーシャルに似ています。過去に日本で流通していましたが、ファームが小さいため、日本への輸入はまれになりました。毛の長さもロング、セミロングと長さが違うタイプがいます。

パスバレー(アメリカ ペンシルバニア)

体は小柄でありながら、筋肉質でしっかりとし、顔が丸いです。ペット用フェレットを繁殖している最大のファームで、マーシャル社の次に人気があります。パスバレーでは、生後すぐに母親と離されて小さい幼体が輸入されます。そのため、好奇心旺盛で、いろいろなものに興味を示すような無邪気な面もありますが、一方では噛み加減を学んでおらず、噛み癖がやや強いです。じゃれて噛んでくることも多いため、早めにしつけをしましょう。
フェレット繁殖証明書

ルビー(アメリカ アイオワ)

ルビーは歴史が長く、スカンク、アライグマ、フェレットの繁殖場としてアメリカでは有名な毛皮用のファームですので、毛並みがよいのも特徴です。体はしっかりし、顔が丸いです。性格は大人しく、穏やかですが、他のファームと比べて個体差があり、噛み癖が強かったり、多頭飼いに向かないタイプもいます。バスパレーのフェレットを元に作られたため、バスパレーに似ている面も多くあります。日本にはごく少数しか入ってきていません。

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カナディアン(カナダ バンクーバー)

体は大柄で、骨太で筋肉質のタイプが多く、特にオスが大きくなる傾向にあります。性格はやんちゃで遊び好きです。やや強めの噛み癖があるため、根気よくしっかりとしたしつけが必要です。耳に入れ墨があり、X、Yの字の入れ墨が、それぞれオス、メスで分けて入っています。

フェレット繁殖証明書
フェレット入れ墨

ニュージーランド(ニュージーランド 南島)

体は大柄でぽっちゃりになり、オスは特に2kg以上になることもあります。丸い顔と目の周囲が黒色で、パンダ顔をした個体が多いですが、カラーバリエーションは少ないです。毛はやや長めです。性格は噛み癖が強いですが、個体によってかなりばらつきがあります。2002年よりニュージーランドではフェレットの販売、繁殖を禁止しているようです。

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ミスティック(ニュージーランド 北島)

体は大柄です。性格は噛みぐせも少しあり、しつけが必要です。カラーバリエーションは少なめです。お腹にミスティック社のファームを示すMysとナンバーの入れ墨があるのが特徴です。

フェレット入れ墨

ファー・ファーム(中国)

デンマークのファームを中国に移転したファームです。毛皮用として繁殖していたファームで、体は他のファームと比べてやや大柄で、毛質もよく、長毛が特徴です。流通数が少なく、高額で取引をされています。長毛種をアンゴラ(ロング)、短毛種をスカンジナビアと呼び、どちらも繁殖されています。なお、アンゴラは鼻の形が違ったり、鼻に毛が生えるなどの特徴があります。気性格はマイペースで、やや気が荒いといわれています。カラーのバリエーションも豊富ですが、アンゴラロングのカラー名称は、一般的なカラーリングと呼び方が異なります。

フェレット長毛
フェレット長毛種

   

ニューワールド(アメリカ ニューヨーク)

外見はマーシャルのフェレットと似ており、細めのフェレットが多いです。日本に輸入される数は少ないです。

テキサス(アメリカ テキサス)

パスバレーに似ており、カラーバリエーションが豊富です。性格は個体差が激しいです。

エルフィン(オセアニア)

骨太で大柄になるフェレットが多く、まるい顔と体が特徴的です。

フェレッツェン(ドイツ)

狩猟用として繁殖しているファームです。大柄でしっかりとした筋肉質の体つきをしています。狩りに使われるため、日本での入手は困難です。ペット用ではないため、凶暴性が強く、去勢もしていない個体も多いです。

ネザーランド(オランダ)

長毛種のアンゴラを扱っています。体は大柄で、骨太でしっかりしています。ファーファームと同じで絶対数が少なく、高額で取引をされています。

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この記事を書いた人

霍野 晋吉

霍野 晋吉

犬猫以外のペットドクター

1968年 茨城県生まれ、東京都在住、ふたご座、B型

犬猫以外のペットであるウサギやカメなどの専門獣医師。開業獣医師以外にも、獣医大学や動物看護士専門学校での非常勤講師、セミナーや講演、企業顧問、雑誌や書籍での執筆なども行っている。エキゾチックアニマルと呼ばれるペットの医学情報を発信し、これらの動物の福祉向上を願っている。

「ペットは犬や猫だけでなく、全ての動物がきちんとした診察を受けられるために、獣医学教育と動物病院の体制作りが必要である。人と動物が共生ができる幸せな社会を作りたい・・・」との信念で、日々奔走中。